演題

Functional Hybrid Anastomosis (FHA-ダイヤ型)による結腸吻合の安全性向上の試み

[演者] 舩越 徹:1
[著者] 下國 達志:2, 蔵谷 勇樹:1,2, 近藤 享史:1, 大平 将史:1, 藤居 勇貴:2, 山田 健司:1, 稲垣 光裕:1, 中川 隆公:2, 中野 詩朗:1
1:旭川厚生病院 外科, 2:JCHO 札幌北辰病院 外科

【はじめに】自動縫合器による結腸器械吻合では,機能的端々吻合(FEEA)や三角吻合が頻用されている.NCDデータでは回結腸吻合の縫合不全は低率で1.7%と報告されているが,横行・下行結腸の縫合不全はこれより高い可能性がある.また吻合部狭窄や出血,屈曲による嚢状拡張や吻合部再発等を含めた吻合部関連合併症は散見されており,これらを極限まで減らす努力は必要である.当科では側々と端々を組みわせた吻合径が広く,吻合部腸管の屈曲が少ない吻合方法の工夫・改良を行っている.
【対象と方法】吻合方法~間膜対側から間膜方向へ斜めに側々吻合を施行後,staple lineを短軸方向に広げて支持糸をかけ,staple2回で確実に閉鎖する.この際側々吻合のstapleとの交叉部が突出しすぎないよう押し付けてトリミングしながら行う.これらの工夫により屈曲・突出が少なく,煩雑なstaple交叉のない広い吻合径が得られる.2014年6月~2016年11月の期間に2施設で行った上記結腸吻合(FHA)症例117例の短期成績から安全性を評価した.
【結果】年齢中央値は69(17-92)歳,男女比は63:54,術前ASA平均値は1.90であった.疾患分類は原発性悪性疾患:99例,クローン病:4例,炎症疾患or穿孔:6例,その他8例であった.原発部位はCA/T/D/S=66/21/10/20,吻合方法は回結腸吻合:82例,結腸-結腸吻合(横行・下行結腸/S状結腸):35(15/20)例であった.術中合併症はなく,術後合併症は表層SSIを2例認めたが,出血・狭窄・縫合不全等吻合部に直接関連する合併症は認めなかった.同時期に施行したFEEA:63例,circular:45例,手縫い:10例では,FEEA群で縫合不全(minor)1例と吻合部狭窄1例,circularで縫合不全(major)1例と腹腔内膿瘍1例,手縫いで縫合不全(major)1例を認めた.FHAは安全性を保った吻合方法であることが確認され,リンホースの使用による安全性の向上や体腔内吻合への工夫を続けている.
【結語】Functional Hybrid Anastomosis (FHA)は,既存の方法と同等以上の安全性を確保し得る.
詳細検索