演題

食道癌術後再発例の治療成績と外科的介入の可能性

[演者] 山下 公太郎:1
[著者] 渡邊 雅之:1, 峯 真司:1, 黒河内 喬範:1, 岡村 明彦:1, 速水 克:1, 今村 裕:1
1:がん研究会有明病院 消化器外科

【目的】食道癌術後再発例の治療成績を検討し外科的介入の可能性を明らかにする.
【対象と方法】対象は2005~15年にR0切除を施行した971例のうち再発例290例.再発形式をリンパ節(LN),断端,臓器,播種に分類.初再発が1形式のものを単独再発,2形式以上を混合再発とした.再発形式,臓器別再発後生存率をKaplan Meier法で解析.
【結果】再発形式:単独再発224例(77.2%),混合再発66例(22.8%).単独再発内訳:LN117例(52.2%),臓器79例(35.3%),断端15例(6.7%),播種13例(5.8%).
単独vs.混合再発:再発後生存期間中央値(MST)は単独再発364日,混合再発168日で混合再発が有意に予後不良(P<0.001).形式別予後:MSTはLN478日,断端364日,臓器309日,播種229日(P<0.001).臓器別MSTは肺肝骨以外の単一臓器9例996日,肺26例450日,肝26例242日,多臓器12例185日,骨6例48 日(P<0.001).
手術の適応と内訳:再発後治療として32例に施行.原則,単発再発で耐術能を有しR0切除が期待できるものを適応とし,LN切除11例(頸/胸/腹:6/2/3例),肺切除7例,肝切除4例,残食道切除2例,他臓器切除5例(腎,脾,副腎,皮膚,回盲部各1例),その他3例.
手術の根治度と再発切除後予後:再発切除後生存期間中央値(MST')はR0切除24例809日,R2手術8例444日(P=0.031).切除臓器別MST'は肺7例2186日,LN11例753日,肝肺以外の単一臓器8例641日,肝4例179日.他治療を含む局所制御成功例(R0切除or CR)は非成功例に比べて,再発後3年生存率65%vs.8%(P<0.001)と予後良好(リンパ節再発:79%vs.7.9%,臓器再発:52%vs.9%).
治療別成績:LN単独再発の初回治療はCRT33例(28.2%),RT31例(26.5%),化療28例(23.9%),切除11例(9.4%),BSC14例(12.0%).MSTはCRT1776日,切除597日,化療464日,RT368日.CRTおよび切除の局所制御率は,切除54.5%,CRT48.5%,RT:12.9%,化療0%.臓器単独再発の初回治療は化療39例(49.4%),切除12例(15.2%),RT9例(11.4%).MSTは切除870日,化療368日,放射線212日.局所制御率は切除83.3%,化療12.8%,放射線11.1%.【考察】限局したリンパ節再発や肝以外の単発臓器再発は局所制御による長期生存の可能性があり,R0切除が可能であれば手術の良い適応と考えられた.再発治療において手術適応は常に念頭に置くべきだが,切除のタイミングと補助療法に関して今後の検討が必要と考えられた.
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