演題

大規模データベースを用いた大腸癌手術長期成績の日米比較

[演者] 中嶋 健太郎:1
[著者] 平塚 孝宏:1, 赤木 智徳:1, 柴田 智隆:1, 當寺ケ盛 学:1, 白下 英史:1, 衛藤 剛:1, 小林 宏寿:2, 杉原 健一:2, 猪股 雅史:2
1:大分大学附属病院 消化器外科, 2:大腸癌研究会大腸癌全国登録委員会

背景
OECDデータによると日本の大腸癌術後5年生存率は世界で最も優れていると報告されている.日米間の比較では,ステージ別で比較すると日本がすべてのステージにおいて5年生存率が米国と比較し良好である.しかしLN検索数の違いから生まれるstage migrationが生存率の差の原因である可能性がある.
目的
stage migration の影響を最小限にしたうえで,日米両国の大腸癌術後5年生存率の比較を行う.
対象と方法
大腸癌研究会(以下JSCCR)および米国Surveillance, Epidemiology, and End Results(以下SEER)データベースを用いて,2000年から2005年のpStageⅡ,Ⅲの原発性大腸癌を抽出した(JSCCR8220例,SEER17436例).リンパ節検索数が12以上の症例,15以上の症例に限定し,5年疾患特異的全生存率をカプランマイヤー,ログランク検定にて比較した.
結果
リンパ節検索数の中央値は日本17.1, アメリカ14.3 (p<0.0001)であった.ステージ別の比較で5年生存率は日本が有意に良好であった.リンパ節検索数が12以上の症例,15以上の症例に限定しても,依然として5年生存率は日本で有意に良好であった.
結論
少ないリンパ節検索数により生じるstage migrationの影響を最小限に除外しても依然として日本の5年生存率は良好であった.日米の大腸癌術後成績の差の原因は,手術療法のちがい,生物学的悪性度の差,フォローアップ方法の違い,術後療法の違い,再発後治療の違い等を考慮していく必要がある.

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