演題

cT4結腸癌に対する腹腔鏡手術と開腹手術の比較

[演者] 長原 望:1
[著者] 鶴田 雅士:1, 長谷川 博俊:1, 岡林 剛史:1, 石田 隆:1, 安藤 知史:1, 鈴村 博史:1, 徳田 敏樹:1, 豊田 尚潔:1, 北川 雄光:1
1:慶應義塾大学医学部 一般・消化器外科

【背景】近年, 腹腔鏡手術の適応に進行結腸癌を含める施設も増えてきている. 本邦における大規模多施設共同臨床試験JCOG0404では, ステージⅡ/Ⅲ結腸癌に対する治療成績(全生存率)における腹腔鏡手術の開腹手術に対する非劣性は証明されなかったが, その治療成績は十分許容できるものであった. 今回我々は,当院でのcT4結腸癌の治療成績について検討を行った.

【対象と方法】2005年1月から2015年6月までに当院でのcT4結腸癌に対して根治度Aの手術を施行した92症例を対象とした. これらの症例について患者背景や術後合併症, 術後短期および中期成績(1年および3年無再発生存率)について腹腔鏡手術(LA)と開腹手術(OP)を統計学的に比較検討した.

【結果】患者背景を比較すると年齢, BMI(Body Mass Index), 臨床病期, 腫瘍最大径では有意差は認めなかったが, 性別ではLA群と比較してOP群では男性が有意に多く(p=0.022), PS(Performance Status)が2以上の症例も有意に多かった (p=0.027). 手術時間は有意差を認めなかった(205 vs 246分 p=0.203)が,出血量はLA群で有意に少なく(10 vs 128ml p=0.002),術後在院日数も有意に短かった(8 vs 10日 p=0.008).OP群では11例 (16.7%)にClavien-Dindo Grade2以上の術後合併症を認めたが,LA群では認めなかった.観察期間の中央値はLA群で26ヶ月, OP群で57ヶ月だった. 予後に関しては1年無再発生存率がLA群で96.2%(95%信頼区間:75.7-99.5), OP群で98.5%(同:89.7-99.8), 3年無再発生存率はLA群で92.3%(95%信頼区間:72.6-98.0), OP群で97.0%(同:88.4-99.2)であり, いずれも有意差を認めなかった.
【結語】我々の治療経験では, cT4に対する腹腔鏡手術は開腹手術と比較し安全で, 長期成績も遜色なく,選択肢として許容されるものと考えられた.
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