演題

RS大腸癌における開腹手術・腹腔鏡手術の治療成績の検討

[演者] 末松 秀明:1
[著者] 大田 貢由:1, 菅野 伸洋:1, 中川 和也:1, 諏訪 宏和:1, 虫明 寛行:1, 湯川 寛夫:1, 國崎 主税:1, 益田 宗孝:2, 遠藤 格:3
1:横浜市立大学附属市民総合医療センター 消化器病センター, 2:横浜市立大学医学部 外科治療学, 3:横浜市立大学医学部 消化器・腫瘍外科学

(背景) 本邦でのstageII/III大腸癌を対象にした腹腔鏡下結腸切除術(LAC)と開腹手術(OP)を比較検討したJCOG0404試験では,両者の5年生存率は共に90%を超え,LACは治療選択肢となりうるとされた.しかしサブ解析ではRS症例でLAC群の長期成績がやや劣る可能性が示唆された.
(目的) cStageII/III,RS大腸癌におけるLACの妥当性を明らかにする.
(対象・方法) 2008年3月から2015年12月までに当院で原発巣切除(R0切除)を行った遠隔転移のない大腸癌は2193例であった.cStage II/IIIのRS大腸癌(133例 6%)を対象としLAC群(L群),開腹手術群(OP群)との臨床病理学的検討を行った.
(結果) L群99例(75%), OP群33例(25%)であった.患者背景:性別・年齢に差を認めなかった.腫瘍径(mm)( L群 40.68vs. OP群 58.09, p<0.05)は有意にOP群で大きく,深達度[L群T1 4例(4%)/T2 21例(21%)/T3 61例(62%) /T4 13例(13%)vs. OP群 T1 0例(0%)/T2 2例(6%)/T3 19例(58%)/T4 12例(36%)]も有意差を認めた.cStage[L群37例(37%)/62例(63%) vs. OP群 II 6例(18%)/ III 27例(82%)]もOP群でcStageIIIが有意に多い結果であった.
手術時間(min)( L群188.9vs. OP群 176.0,p=0.22),術後在院日数(L群11.83vs. OP群 11.52,p=0.82)に関しては差を認めなかったが,出血量(ml)( L群 41.55 vs. OP群 213.91,p<0.01)においてはOP群で有意に多かった.
Clavien-Dindo分類II以上の術後合併症[L群 27例(18.3%) vs. OP群 12例(18.7%),p=0.974]については有意差を認めなかった.
術後再発は22例[L群 12例(12.1%)vs. OP群 10例(30.3%),p=0.04]で認め,再発部位は肝臓(6例/1例),肺(5例/6例),腹膜(2例/2例),局所(1例/1例)であった.
時代背景より観察期間(中央値: L群30ヵ月 vs. OP群59ヵ月,p=0.018)に差を認めた.
cStage別に両群間の3年生存率(OS),3年無再発生存期間(PFS)を検討した.
cStageIIはL群37例,OP群6例,3年OS(L群91.5%vs. OP群 100%,p=0.32),3年PFS(L群92.7%vs. OP群 60.0%,p=0.052)については有意差を認めなかった.cStageIIIはL群62例,OP群27例,3年OS(L群90.1%vs. OP群 84.2%,p=0.188),3年PFS(L群91.1% vs. OP群 75.9%,p=0.083)でいずれも有意な差を認めなかった.
(結語) RS大腸癌では,cStage毎のOS,PFSならびに術後合併症で差は認めず, LACは治療選択肢として受容できる.
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