演題

StageIII直腸癌に対する腹腔鏡下手術の治療成績

[演者] 吉田 大輔:1
[著者] 南 一仁:1, 信藤 由成:1, 井口 友宏:2, 太田 光彦:1, 辻田 英司:2, 池部 正彦:1, 森田 勝:1, 藤 也寸志:1
1:九州がんセンター 消化管外科, 2:九州がんセンター 肝胆膵外科

【はじめに】直腸癌に対する腹腔鏡下手術の有効性と安全性は十分に確立されていない.直腸癌は多くのランダム化比較試験で対象外であり,直腸癌のみを対象としたランダム化比較試験は少ない.本邦のガイドラインにおいても,手術操作の難易度が高いことや側方郭清手技が確立されていないことから,有効性と安全性を適正に計画された臨床試験にて確認する必要があると記されている.しかしながら,直腸癌に対する腹腔鏡下手術は,TME/TSMEを実施するにあたり非常に良好な視認性が得られ,根治性が高まることが推測される.
【目的】StageIII直腸癌に対する腹腔鏡下手術の治療成績を明らかにする.
【対象と方法】2006年1月~2015年3月,当科にて根治切除が施行されたRa/Rb直腸癌350例のうち,術前無治療であるpStageIII96例を対象とし,腹腔鏡下手術と開腹手術の治療成績を比較した.
【結果】全症例の内訳は,平均年齢63.6歳,男55例/女41例,Ra 40例/Rb 56例,腹腔鏡群(LG) 46例/開腹群(OG) 50例,平均手術時間394分,平均出血量428g,T1 10例/T2 15例/T3 49例/T4 22例,N1 63例/N2 24例/N3 9例,pStageIIIa/IIIb 63/33例.再発症例は38/96(39.6%).LGとOGを比較,術前患者因子(年齢,性別,BMI,術前CEA,術前ALB)には両群間に差はなく,手術時間(420分 vs 369分)および術後病理学的因子(T/N因子,脈管侵襲,郭清リンパ節個数)には有意な差は認められなかったが,LGでは出血量が有意に少なく(132g vs 700g),郭清リンパ節個数が有意に多かった(26個 vs 20個).なお,5年無再発生存率はLG 62.3% vs OG 54.0%であり,両群間に有意差は認められなかった.
【結語】StageIII直腸癌に対する腹腔鏡下手術は,開腹手術と比較して,有意に出血量が少なく,郭清リンパ節個数が多かった.また,5年無再発生存率において,両群間に有意差は認められず,腹腔鏡下手術は開腹手術と遜色ない長期成績であった.
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