演題

当科における結腸癌手術の検討 -開腹手術 vs. 腹腔鏡下手術-

[演者] 祐川 健太:1,2
[著者] 土屋 康紀:1, 坂東 正:1, 清水 哲朗:1
1:済生会富山病院 外科, 2:富山大学医学部 外科学(第二)

開腹手術 vs. 腹腔鏡下手術を検討したJCOG0404試験において,全生存率曲線は両群でほぼ一致しており,腹腔鏡下手術は大腸癌に対する手術の選択肢の1つと考えられると示された.しかし,当院のような中規模病院では症例数やマンパワー,時間的制約などがあるのが現状である.そこで,当科における結腸癌手術例について短期成績および長期成績を検討した.【対象】2009年から2011年の3年間に手術を行った開腹手術群(以下OP群)72例,腹腔鏡下手術群(以下LAP群)20例を対象として,5年生存までフォローできたOP群で60例,LAP群は18例で検討した.OP群の60例は男女比=30:30,平均年齢70.23歳,BMIの平均は22.16,腫瘍の局在は盲腸:上行結腸:横行結腸:下行結腸:S状結腸=7:15:11:6:22であった.LAP群ではそれぞれ6:12,64.78歳,23.19,4:3:1:1:9であった.年齢,BMI,といった患者背景には統計学的有意差はなかった.病期についてはOP群でStage0:3例,StageⅠ:8例,StageⅡ:19例,StageⅢA:14例,StageⅢB:7例,StageⅣ:9例で,LAP群ではStage0:2例,StageⅠ:9例,StageⅡ:3例,StageⅢA:3例,StageⅢB:0例,StageⅣ:1例であった.検定にはt検定を用いた.【結果】短期成績は全例で検討し,手術時間がOP群で平均150.32分,LAP群で平均219.78分(p値=4.096×10-7)とOP群で短い傾向にあり,出血量ではOP群で平均119.07g,LAP群で平均78.33g(p値=0.000173)とLAP群で少ない傾向にあった.その他,郭清の範囲は同程度であり,第7病日における白血球数を比較したが統計学的有意差はなく,手術のqualityとしては同程度と考えられた.合併症の発生率はOP群で38.3%,LAP群で44.44%であり,主なものとしてはSSI,腸閉塞,縫合不全,腸炎,吻合部狭窄などがあった.StageⅠ~Ⅲの症例で検討すると,OP群では48例中3例の原病死を認めたのに対し,LAP群では15例全例で5年生存を得られた.また,観察期間中にOP群では15例の再発症例があったのに対し,LAP群では再発症例は認めていない.【考察】腹腔鏡下手術は郭清の範囲,術後回復の具合から開腹手術と比較して同程度の手術が行えていると考えられた.また長期成績の点からも腹腔鏡下手術は開腹手術と比較しても明らかに劣っているとはいえず,当院のような中規模病院においても腹腔鏡下手術を開腹手術と同程度に行うことができた.
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