演題

PP6-7

当院における腹腔鏡下肝切除術の導入と工夫

[演者] 雄谷 慎吾:1,2
[著者] 生田 宏次:1, 青野 景也:1, 小川 明男:1, 渡邊 哲也:1, 服部 正興:1, 安藤 公隆:1, 山口 貴之:1, 浅野 昌彦:1, 宮地 正彦:2
1:公立西知多総合病院 外科, 2:中東遠総合医療センター

当院では腹腔鏡下肝切除術を導入するにあたり,外側区域切除可能な病変もしくは肝表に視認できる肝腫瘍のみを腹腔鏡下肝切除術の適応とした.2015年5月から2016年11月までの約1年半の期間に腹腔鏡下肝切除術を7件施行し,全肝切除術29件中の24%を占めた.平均年齢は67.9歳(57~78歳),男性3例,女性4例であった.疾患は肝細胞癌3例,転移性肝腫瘍4例(うち1例はS状結腸切除と同時に施行)であり,すべて単発で大きさは平均24.8mm(13~40mm)であった.ICG15Rは平均11.1%(2.9~36.6%)であった.手術時間は平均141分(43~222分)で,そのうち腸管切除を同時に施行していない6例に限ると,手術時間は平均127分であった.また出血量は平均64.6mL(5~150mL)であり全例無輸血であった.術後合併症は,3例で発熱や炎症反応高値のため抗生剤を投与したのみであり,術後入院日数は平均9.14日(7~13日)と良好な結果であった.腹腔鏡下外側区域切除は定型化されつつあり超音波凝固切開装置,自動縫合器を使用することにより安全に施行可能であった.腹腔鏡下肝部分切除とくに肝右葉の部分切除に関しては,①最初から約25度の左半側臥位で患者を固定することにより約45度の左半側臥位が可能となり安全に授動できた ②内視鏡下無外傷性血管クリップで15分遮断,5分解放の全肝遮断を行うことによりポートを増やさずに遮断可能となる ③腫瘍を含む切除肝に支持糸をかけ術者が吊り上げる(手前に引き抜く)ことにより腫瘍の半分を超えてから肝表に戻る切離ラインをとりやすくなる.以上の工夫を用いることにより,症例を限定して行ったため全例完全腹腔鏡下に施行することができ,また拡大視効果や気腹による出血のコントロールというメリットに加え,かなり術創が小さくなるため良好な経過を得ることができたと考える.
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