演題

PP6-5

当科における腹腔鏡下肝外側区域切除術の導入初期成績

[演者] 水上 博喜:1
[著者] 田中 淳一:1, 小山 英之:1, 関根 隆一:1, 原田 芳邦:1, 喜島 一博:1, 新村 一樹:1, 横溝 和晃:1, 佐藤 好信:1, 加藤 貴史:1
1:昭和大学藤が丘病院 消化器・一般外科

(はじめに)腹腔鏡下肝臓切除術は保険収載され,今後さらに普及していくと考えられる.しかし,肝臓の形状や疾患,腫瘍の部位,大きさで難易度が変化するため,適応基準決定に難渋する現状がある.今回,腹腔鏡下肝外側区域切除を導入するにあたり,開腹群と開腹移行群との治療成績を比較検討した.(方法)2011年1月から2016年10月までに,当科で施行した肝外側区域切除術21例で検討した.開腹群9例,腹腔鏡群9例,開腹移行群3例であった.(結果)女性7例,男性14例,平均年齢は67.8歳であった.疾患は原発性肝細胞癌14例,肝内胆管癌2例,転移性肝癌5例であった.平均手術時間は,開腹群,腹腔鏡群,開腹移行群で,237分,262分,289分であった.出血量中央値はそれぞれ,330g,115g,880gであった.術中輸血症例はそれぞれ3例,0例,1例であった.最大腫瘍径はそれぞれ50mm,38mm,34mmであった.門脈臍部から腫瘍までの距離はそれぞれ17mm,18mm,6mmであった.開腹移行群は全て原発性肝細胞癌症例であり,左肝静脈根部付近の出血によるものであった.3群とも術後合併症は無く,平均術後入院期間は,それぞれ11.6日,9.8日,8.7日であった.開腹移行群で腹腔鏡下群に比べて,出血量で有意差を認め,門脈臍部から腫瘍までの距離は短い傾向であった.開腹群は入院期間が長い傾向であった.
(まとめ)腹腔鏡下肝外側区域切除において開腹移行となる場合,低侵襲性の利点を生かせなくなるため,導入初期は非硬変肝や切離面に腫瘍が近接しない症例を選択する事が肝要である.
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