演題

PP6-3

大腸癌肝転移に対する腹腔鏡下肝切除の成績

[演者] 北村 祥貴:1
[著者] 崎村 祐介:1, 美並 輝也:1, 古谷 裕一郎:1, 鈴木 勇人:1, 辻 敏克:1, 山本 大輔:1, 稲木 紀幸:1, 黒川 勝:1, 伴登 宏行:1
1:石川県立中央病院 消化器外科

【はじめに】大腸癌肝転移(CRLM)に対する腹腔鏡下肝切除術(LH)は病変が複数,再肝切除が多い,初回手術の癒着などの問題が言われている.当科でのCRLMに対するLHの手術成績を開腹肝切除術(OH)と比較して検討した.
【方法】2008年1月から2016年11月までの当科でCRLMに対して肝切除術を施行した65例(LH:38例,OH:27例)を対象に解析した.
【結果】年齢の中央値はLH群66歳,OH群61歳であった.術前に化学療法を施行した症例はLH群21例(55%),OH群21例(78%)であった.腫瘍個数はLH群で単発:28例,2個:6例,3個:2例,4個以上:2例(Max8個),OH群で単発:13例,2個:6例,3個2例,4個以上:6例(Max9個)であった.肝障害度は(A/B)はLH群36/2,OH群26/1であった.切除範囲(Hr0/s/1(うちlateral)/2)はLH群31/2/4(3)/1,OH群20/1/4(0)/2であった.再肝切除症例はLH群4例,OH群5例であった.LH群のdifficulty scoreの中央値は4であった.LH群の4例は腹腔鏡補助下で施行しており,内2例は開腹創の延長を要したが完全鏡視下手術からの開腹移行はなかった.原発大腸癌を同時に切除したのはLH群1例,OH群2例だった.手術成績では,手術時間の中央値はLH群250分,OH群205分とLH群で長い傾向はあるが有意差はなかった(p=0.226).出血量はLH群50ml,OH群350mlとLH群で有意に少なかった(p=0.007).術後在院日数はLH群9日,OH群12日とLH群で有意に短かった(p<0.001).Clavien-Dindo Ⅲa以上の合併症はLH群2例,OH群1例でいずれも腹腔内膿瘍であった.観察期間の中央値はLH群24か月,OH群49か月と短いが,全生存期間,無再発生存期間に有意差はなかった.
【結語】OH群の術式に右葉系の区域切除術が多いというバイアスはあるが,CRLMに対する腹腔鏡下肝切除術は開腹肝切除術と比較して出血量が少なく,術後在院期間が短かった.CRLMに対する腹腔鏡下肝切除術の短期成績は許容されると思われた.今後は亜区域以上の肝切除術を腹腔鏡下で安全に導入していくことが当科の課題である.
詳細検索