演題

PP6-2

肝細胞癌に対する腹腔鏡手術の中期成績

[演者] 木村 拓也:1
[著者] 井上 雅文:1, 服部 彬:1, 松岡 信子:1, 鈴木 大聡:1, 松田 康雄:1
1:八尾徳洲会総合病院 肝臓センター

腹腔鏡下肝臓手術が保険適応となり,施設基準が緩和されて,5年が経過した.当院では施設基準が緩和されて以降,腹腔鏡下肝臓部分切除ならびに外側区域切除を32例の肝細胞癌(HCC)に導入したので,その中期成績を報告する.
腹腔鏡肝臓手術の適応
HCCにおける手術適応は基本的に3㎝,3個以内を原則とし,外側区域では5㎝まで適応とした.部分切除可能な症例は肝臓の表面にHCCを認める症例であり,深部のHCCは適応外とした.
患者背景
2012年4月より2016年5月まで32例,34結節に対し,本術式を導入した.患者は男性23例で,女性は9例であった.年齢は43-85歳で,重複感染も含め,HCV18例で,HBV4例で,非B非Cが8例で,アルコール性肝硬変が4例であった.Child-Pugh分類はAが28例,Bが3例,Cが1例であった.また肝障害度はAが22例,Bが9例,Cが1例であった.
結果
32例,34結節に対し,腹腔鏡下肝臓手術を施行した.HCCの位置はS78の頭側肝臓に6結節部分切除を行い,その他は尾側肝臓,もしくは,左葉に認めた.外側区域切除は2結節に行い,部分切除を32結節に行った.1例は直腸低位前方切除術と同時に多発肝腫瘍に対する生検目的に部分切除を行い,その他は根治手術を目的に手術適応とした.3例に開腹移行を要し,1例は腫瘍がS1で解剖学的な理由で開腹移行した.その他2例は肝静脈を損傷し,開腹移行した.術後合併症として急性腎不全を1例に認めた.術後在院期間4-10日間で,1例のみ大腸憩室穿孔により術後16日目に死亡した.遠隔期の観察期間中に6例死亡し,内訳は原疾患による死亡が2例で,その他は他因死(大動脈瘤破裂,胃潰瘍穿孔,原発不明がん,肝硬変)であった.
結語
HCCの治療に対する腹腔鏡手術は低侵襲に可能で,在院期間の短縮を認めた.5年生存率も従来の開腹手術と同等で,有用な選択枝の一つと考えられた.
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