演題

PP5-7

肝細胞癌再発に対する腹腔鏡下再肝切除に関する検討

[演者] 力丸 竜也:1
[著者] 栗山 直剛:1, 堤 智崇:1, 松本 佳大:1, 渡邉 公紀:1, 二日市 琢良:1, 米村 祐輔:1, 矢田 一宏:1, 板東 登志雄:1, 宇都宮 徹:1
1:大分県立病院 外科

【目的】肝細胞癌再発に対する再肝切除は,残肝機能が保たれていれば初回肝切除と遜色ない予後が期待できる有用な治療法である.しかし,再肝切除における腹腔鏡下肝切除術の有用性に関する検討は少ない.そこで今回,肝細胞癌再発症例に対する再肝切除について,特に腹腔鏡手術症例に注目して検討を行った.【方法】2011年1月~2016年8月までに,肝細胞癌再発の診断で18例 (年齢59~84歳,中央値 72歳,男:女=16:2) に再肝切除を施行し,その術式の内訳は,開腹肝切除症例が10例(部分切除: 6例,区域切除以上: 4例),腹腔鏡下肝切除症例が8例(部分切除: 8例)であった.今回,術式が部分切除であった開腹手術群(O群: 6例)と腹腔鏡下手術群(L群: 8例)について,臨床病理学的因子を比較検討した.【結果】初回手術の内訳は,O群(開腹肝切除: 4例,腹腔鏡下肝切除: 2例),L群(開腹肝切除: 3例,腹腔鏡下肝切除: 5例)であり,L群では腹腔鏡下肝切除の割合が高かった.両群間で,背景因子(年齢,性別,HBs抗原,HCV抗体,術前肝機能,術前%PT,腫瘍マーカー)には有意差を認めなかったが,腫瘍占拠部位はL群で有意に外側区域の割合が高かった(O群: 16.7% vs. L群: 75.0%, p=0.025).手術因子では,手術時間,術中輸血は両群間に有意差を認めなかったが,出血量はL群で有意に少量であった(O群: 557±106 ml vs. L群: 192±92ml, p=0.023).また,腫瘍因子(腫瘍径,分化度,病期,脈管侵襲)は両群間に有意差を認めなかった.両群において,Clavien-Dindo grade Ⅲ以上の合併症は認めず,術後在院日数はL群で有意に短かった(O群: 13.6日 vs. L群: 7.1日, p=0.007).【結語】肝細胞癌再発症例に対する再肝切除において,腹腔鏡下肝切除術は安全に施行でき,開腹肝切除術に比べ有意に出血量が少なく,術後在院日数も短かった.腹腔鏡下再肝切除は,前回手術の癒着が高度でなければ,有用な治療法の選択肢の一つになりうる.
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