演題

PP5-6

当院における腹腔鏡下再肝切除の検討

[演者] 桑原 太一:1
[著者] 坂本 和彦:1, 徳光 幸生:1, 徳久 善弘:1, 鈴木 伸明:1, 武田 茂:1, 吉野 茂文:3, 硲 彰一:2, 上野 富雄:1, 永野 浩昭:1
1:山口大学大学院 消化器・腫瘍外科学, 2:山口大学医学部 先端がん治療開発学, 3:山口大学附属病院 腫瘍センター

【はじめに】当科では2009年から腹腔鏡下肝切除を導入し,2012年からは再肝切除症例に対しても,積極的に腹腔鏡手術を施行している.腹腔鏡下肝切除はその低侵襲性が期待されるが,癒着にともなう難易度の問題など再肝切除症例への適応拡大に対する定まった評価はない.今回我々は,当院における腹腔鏡下再肝切除症例について検討し報告する.
【方法】2012年10月から2016年11月までに施行した完全鏡視下切除を予定した再肝切除症例の16例(再々切除3例を含む)の患者背景,腫瘍因子,短期成績を後ろ向きに検討した.
【結果】全16症例の平均年齢は65歳,男性8例,女性8例であった.対象疾患は,肝細胞癌11例,肝内胆管癌1例,転移性肝癌4例,術式は亜区域切除が1例,部分切除が15例であった.前回術式は,腹腔鏡下肝切除が5例,開腹手術における葉切除が1例,区域切除が1例,亜区域切除が3例,外側区切除が1例,部分切除が5例であった.鏡視下でのPringle法が可能であった症例は5例(31%)であった.肝機能は,全例Child-Pugh score Aであった.開腹移行症例は全体で3例(18%)であり,3例とも高度の癒着がその理由であった.そのうちわけは,前回開腹S8 RFA後のS8部分切除,前回開腹S4・S8部分切除後のS3部分切除,前回腹腔鏡補助下肝右葉切除+S4部分切除後のS1部分切除であった.またこれらについては,3例とも初回切除と再切除が同側葉手術例であり,対側葉手術例はなかった.開腹移行を除く症例の手術時間中央値は358分(122-500),出血量中央値は120ml(1-400),術後在院日数中央値は12日(5-27)であった.胆汁漏,肝不全,手術関連死亡は認めなかった.初回肝切除としての完全腹腔鏡下部分切除症例40例と今回対象の再肝切除11例を比較したところ,手術時間,出血量,術後在院日数に差を認めなかった.
【結語】腹腔鏡下再肝切除における周術期関連因子については,初回肝切除術と同等の成績であった.ただし前回肝切除と同側葉切除の場合は,癒着による開腹移行の可能性を十分に考慮すべきである.
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