演題

PP5-5

再肝切除症例に対する腹腔鏡下肝切除術の短期成績

[演者] 野口 幸藏:1
[著者] 富丸 慶人:1, 長瀬 博次:1, 浜部 敦史:1, 広田 将司:1, 谷田 司:1, 川瀬 朋乃:1, 森田 俊治:1, 今村 博司:1, 堂野 恵三:1
1:市立豊中病院 外科

【背景・目的】腹腔鏡下肝切除術は低侵襲性や拡大視効果による出血量低減等が報告されており,肝切除術後の再発症例に対しても腹腔鏡下再肝切除術が行われるようになってきている.しかしながら,再肝切除の安全性については現時点で評価が定まっていない.
【対象と方法】2011年1月から2016年11月までに当院にて腹腔鏡下肝切除術を施行した60例のうち,初回肝切除群53例と再肝切除術群7例について背景因子と術後の短期成績について比較検討を行った.
【結果】全60例の平均年齢は68.6±11.2歳,男性37例,女性23例,肝細胞癌は36例,転移性肝癌24例であった.術式は部分切除術56例,外側区域切除術4例であり,平均手術時間は253±84分,平均出血量は252±374ml,平均術後在院日数は12±8日であった.
初回肝切除群と再肝切除群の比較では,年齢,性別,原疾患,Child-Pugh分類,ASA分類,腫瘍個数,腫瘍径,術式などの背景因子に有意差は認められなかった.初回肝切除群と再肝切除群における手術時間の比較ではそれぞれ239±94分,220±50分と有意差を認めなかったが(p=0.43),術中出血量は,それぞれ250±380ml,134±101mlと再肝切除群で少ない傾向がみられた(p=0.08).開腹移行率は,それぞれ6%(3例),14%(1例)で両群間に有意差を認めなかった(p=0.40).開腹移行の理由としては,初回肝切除群では多臓器損傷1例,出血1例,癒着1例であり,再肝切除群では出血1例であった.術後在院日数(12±9日vs 10±3日)には有意差を認めず(p=0.15),Clavien-Dindo分類 Grade 3以上の術後合併症についても初回肝切除群4例(腹腔内膿瘍3例,腸閉塞1例,腸穿孔1例),再肝切除群1例(腸閉塞1例)であり,発生率に有意差を認めなかった(p=0.48).
【結語】再肝切除症例に対する腹腔鏡下肝切除術は,初回肝切除症例に比して開腹移行率や周術期関連合併症の発生率に差を認めず,安全に施行可能である可能性が考えられた.
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