演題

PP5-4

高度肝硬変症例に対する腹腔鏡下肝切除の安全性に関する検討

[演者] 笹嶋 秀憲:1
[著者] 宮城 重人:1, 中西 史:1, 戸子台 和哲:1, 原 康之:1, 中西 渉:1, 米田 海:1, 宮澤 恒持:1, 清水 健司:1, 柿崎 裕太:1
1:東北大学大学院 先進外科学

目的:腹腔鏡下肝切除は標準化術式として確立されてきた.しかし障害肝・肝硬変症例における腹腔鏡手術はその易出血性や肝実質の線維化のため難易度が増す事が知られている.当チームでは,肝硬変症例は全例易出血性に対応できるよう完全腹腔鏡下Pringleを施行している.本研究の目的は高度肝硬変症例における完全腹腔鏡下肝切除の安全性を検証することである.
方法:当チームでは2016年11月までに施行した腹腔鏡下肝切除53例を対象とした.
このうち完全腹腔鏡下肝切除症例は42例であり,うち正常肝症例(Group I, ICGR15が15%未満)は16例,軽度肝障害症例(Group II, ICGR15が15%以上30%未満)19例,高度肝硬変症例(Group III, ICGR15が30%以上,f4)は7例であった.なお腹腔鏡補助下肝切除症例(Group IV)は11例であった.
これらの症例を比較し,高度肝硬変症例に対する完全腹腔鏡下肝切除の効果と安全性を検証した.
結果:高度肝硬変症例(Group III)は,他の完全腹腔鏡下肝切除群と比較し,出血量,手術時間,在院日数に有意差を認めなかった.なお腹腔鏡補助下肝切除群(Group IV)は他の完全腹腔鏡下肝切除群(Group I, II, III)と比較し出血量,在院日数,退院許可日(経口摂取可能で,ドレーン及び点滴がフリーとなった日),腹水ドレーン抜去日が有意に上昇した.
Alb最低値についても,腹腔鏡補助下肝切除群(Group IV)においては完全腹腔鏡下肝切除群(Group I, II)と比較し有意に低値であった.
結語:腹腔鏡下肝切除は高度肝硬変症例においても,慎重な適応決定,完全腹腔鏡下手術,気腹下Pringleの併用で,安全に手術が可能であった.また腹水のコントロールという点においても有効であったと考えられた.
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