演題

PO6-6

混合型肝癌10例の臨床病理学的検討

[演者] 大橋 拓:1
[著者] 安藤 拓也:1, 油座 築:1, 石川 博補:1, 三浦 宏平:1, 滝沢 一泰:1, 高野 可赴:1, 坂田 純:1, 小林 隆:1, 若井 俊文:1
1:新潟大学大学院 消化器・一般外科学

【背景】混合型肝癌(CHC)は,単一腫瘍内に肝細胞癌(HCC)と胆管細胞癌(CCC)へ明瞭に分化した両成分が混在している腫瘍である.CHCは原発性肝癌の0.8%とされる比較的稀な腫瘍であり,その臨床病理学的特徴には不明な点が多い.【目的】当科で経験したCHCの外科切除例を検討し,その臨床病理学的特徴を明らかにする.【対象と方法】当科で外科切除を行ったCHC 10例を対象とし,患者背景(年齢,性別,背景肝の評価),腫瘍因子(臨床検査,病理診断),治療介入とその成績をまとめ,CHCの臨床病理学的特徴とその予後とを検討した.術後観察期間中央値は34か月であった.CHCの累積生存率はKaplan-Meier法を用いて算出した.【結果】当科で2000年1月から2016年12月までに原発性肝癌の診断で手術が行われたのは569例であり,CHC 10例は全体の1.8%であった.CHC 10例の内訳は,男性4例,女性6例であり,年齢中央値は72歳(範囲:45-76歳)であった.背景肝疾患は,B型肝炎3例,C型肝炎2例,アルコール性肝障害1例,非アルコール性脂肪性肝炎3例,特発性門脈圧亢進症1例(いずれも重複なし)であり,全例の背景肝にf2以上の肝線維化を認めた.腫瘍マーカーは,AFP,PIVKA-II,CEA,CA19-9のいずれでも特徴的な上昇を認めなかったが,AFP L3分画比を測定した8例中6例で50%以上の高値を認めた.術前にCHCと診断されていたのは2例のみであり,残る8例ではHCCとの術前診断で外科切除が行われた.腫瘍径の中央値は33mm(範囲:6-60mm)であり,7例が単発腫瘍であった.切除形式は,Hr0 3例,Hrs 3例,Hr2 4例であったが,リンパ節郭清が行われたのは1例のみであった.病理組織診断では,5例で門脈侵襲を認めた一方で,肝静脈侵襲,胆管侵襲を認めたのはそれぞれ1例のみであり,肝動脈侵襲を伴う症例は認めなかった.術後再発を6例(60%)に認め,再発形式は肝内5例,大動脈周囲リンパ節1例であった.再発に対しては,外科切除,RFA,TACE,化学療法など様々な治療が行われており,予後確認時点で原病死は1例のみであった.CHC初回切除からの3年無病生存率は37.5%,無病生存期間中央値は12.6か月であり,3年全生存率は87.5%であった.【結語】CHCは,HCCに近い臨床病理学的特徴を示す.CHCは高率に再発するが,集学的治療によりその予後を改善できる可能性がある.
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