演題

PO6-4

当院における肝細胞癌副腎転移に関する検討

[演者] 奥村 雄一郎:1
[著者] 野田 剛広:1, 江口 英利:1, 岩上 佳史:1, 山田 大作:1, 浅岡 忠史:1, 和田 浩志:1, 後藤 邦仁:1, 土岐 祐一郎:1, 森 正樹:1
1:大阪大学大学院 消化器外科学Ⅰ

【目的】肝細胞癌の転移再発部位は肝内転移が最多であり, その他の再発部位は, 肺, 骨, リンパ節, 腹膜などがあげられるが, 副腎転移は稀である. 近年の肝細胞癌治療の進歩により肝内転移が制御可能となり, また長期生存症例も増加しているため副腎転移巣についての治療症例も報告されている. 当院における肝細胞癌副腎転移に対する臨床病理学的因子および治療成績について検討したので報告する. 【対象と方法】1981年から2015年までの肝細胞癌に対して手術を施行した1062症例のうち, 同時性及び異時性に副腎転移を認めた症例は全部で11例(1.04%)であった. 11例の臨床病理学的因子および治療成績について検討した.【結果】11例の内訳は,同時性2例,異時性9例であった.同時性副腎転移の2例は,原発切除と同時に副腎転移に対して外科的切除を施行した. 原発巣は, 腫瘍最大径 12cm及び11.5cmと巨大肝細胞癌であった. また異時性に副腎転移を認めた9例の 肝切除時における腫瘍最大径は中央値5.4 (2-12.5)cm, 単発/多発: 3/6例, 肉眼的脈管侵襲を認めたのは2例であった. 肝切除から副腎転移までの期間は平均1.0年であった. 9例の内, 外科的切除に至ったのは2例(肝切除から術後3.6年, 術後2.9年), TAE及び放射線治療を施行した症例は1例, 無治療であった症例は6例であった. 副腎以外の遠隔臓器転移の有無を比較すると, 切除群ではコントロールされている肝内転移のみでその他遠隔転移は認めていなかったが, 無治療群では骨, 肺, リンパ節などに転移を認めている症例を4例認めた. 副腎転移からの生存期間を比較すると, 肝・副腎同時切除の2例では8.7年と8.3年であった. 一方で異時性転移に対して手術施行した2症例も8.5年, 7.3年と長期生存を認めていたが, 無加療であった6症例の平均生存期間は1.5年と有意に短かった(p=0.034). 【結語】肝細胞癌の副腎転移においては, 肝内病変が根治切除可能あるいはTACEなどにより制御可能であり, かつ他の遠隔転移を認めない場合, 外科的切除により長期生存が期待できると考えられた.
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