演題

PO5-5

類上皮性血管内皮腫切除例5例の検討

[演者] 工藤 雅史:1
[著者] 後藤田 直人:1, 高橋 進一郎:1, 杉本 元一:1, 高橋 大五郎:1, 大久保 悟志:1, 相澤 栄俊:1, 鈴木 敏之:1, 森末 遼:1, 小西 大:1
1:国立がん研究センター東病院 肝胆膵外科

【背景】類上皮性血管内皮腫(Epithelioid hemangioendothelioma;以下EHE)は血管内皮由来の低悪性度の間葉系腫瘍で,悪性度は血管腫と血管肉腫の中間とされている.EHEは100万人に1人未満とされており極めて稀で,予後や外科的切除を除き治療法なども確立していない.
【目的】EHE切除例における臨床病理組織学的特徴,予後について検討する.
【対象】1996年から2015年までに当院における肝もしくは肺由来EHEの切除例5例.
【結果】年齢中央値63歳(29-70歳),男女比2:3.主訴は体重減少,倦怠感を1例認めた以外は検診を契機に発見されていた.原発性肺癌の合併を認めた症例が2例,肝,肺に同時性に病変を認めたのが3例,リンパ節に同時性に病変を認めた1例は肝,小腸,脾,骨にも病変が認められた.根治切除が行えた症例は1例のみであったが5年無再発生存中で,1例は現在化学療法を行いながら無増悪生存中である.2例がEHEの進行,1例は他癌の進行により緩和治療の方針となっていた.いずれの症例も,組織学的に類円形ないし紡錘形を呈する上皮様の腫瘍細胞が増殖し,EHEで特徴的とされる細胞内空胞の所見は少なくとも2例で確認された.免疫染色では腫瘍細胞はFactorⅧおよびCD31の内皮マーカーが陽性であった.
【考察】EHEは発見時には多発していることが多く,画像診断では確定診断には至らず多発病変を切除することで診断がつくことがほとんどで当院の経験例でも5例中4例で発見時には多発病変であった.肝外病変としては肺の他,リンパ節の順に病変が併存していると報告もあるが,今回の検討でも肝,肺に病変を認める症例は3/5例(60%)であった.これまでの検討で経口避妊薬,塩化ビニルやアスベストの暴露歴が疾病原因となっているとの報告もあるが,今回の検討例では曝露歴はなかった.過去のreviewによればEHEの5年生存率は41%とされ,EHEの進行は比較的緩徐とされているものの多発病変の進行に対しては有効とされる化学療法レジメンもなく,大きな治療成績の向上が未だ得られていないのが現状と考える.
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