演題

PO4-5

ラジオ波焼灼術術後他臓器合併症,大腸穿孔における臨床経過の検討

[演者] 山下 信吾:1
[著者] 片桐 聡:1, 小寺 由人:1, 高橋 豊:1, 大森 亜紀子:1, 根本 彗:1, 有泉 俊一:1, 江川 裕人:1, 山本 雅一:1
1:東京女子医科大学病院 消化器外科

<背景>
ラジオ波焼灼術(RFA)は,肝細胞癌(HCC)の治療戦略の一翼を担っている.当科でも,1998年から1000症例以上のHCCに対してRFAを施行してきた.当科における初回単発3cm未満のHCCに対する,肝切除とRFAの治療成績についての比較では,5年無再発生存,生存率に有意な差は無く,適応症例については積極的にRFAも考慮している.また,RFA後在院日数,治療時間は,肝切除より短く,侵襲の少ない治療とする報告も多い.しかしながら,合併症の発生は,稀であるが,皆無ではない.そこで今回,当科におけるRFA症例の他臓器合併症について検証した.
<方法>
1998年11月~2016年12月までに施行したRFA症例1420結節に対して,発生した他臓器損傷の発症数,発症率を集計した.特に重篤な合併症である大腸穿孔については,個々の症例について考察した.
<結果>
肝外臓器損傷は全10例(0.67%)であった.内訳は,難治性胸水1例(0.067%),難治性腹水1例(0.067%),結腸穿孔3例(0.201%),横隔膜2例(0.134%),胃2例(0.134%),皮膚1例(0.067%)であった.大腸穿孔の3例の腫瘍径の平均は,17±7mmであった.RFA治療後,炎症反応,発熱が遷延し,すべての症例でまず肝膿瘍と診断(術後4.3日)され,経皮的ドレナージを行った.その後改善無く,すべての症例で外科的治療(人工肛門造設,結腸切除)が選択された.外科治療までに至った時間は,24±11日であった.3例中1例が在院死した.
<考察・結語>
RFA後他臓器損傷は,非常にまれであるが,発症した場合,重篤化することもある.大腸穿孔の場合,穿孔部膿瘍は全て限局しており,発症後,外科的加療に至る時間は10日以上と緊急を要してはいなかった.しかしながら最終的に外科的治療は必須であることより,RFA後大腸穿孔に対しては,早期の外科治療も考慮する必要があると考えられた.
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