演題

PO4-3

胆嚢炎による巨大肝被膜下膿瘍の一例

[演者] 山岸 征嗣:1
[著者] 水谷 聡:1, 鈴木 英之:1, 三島 圭介:1, 大山 莉奈:1, 内田 英二:2
1:日本医科大学武蔵小杉病院 消化器病センター, 2:日本医科大学付属病院 消化器外科

肝膿瘍は比較的よく遭遇する症例ではあるが,今回我々は,胆嚢炎の穿破による巨大肝被膜下膿瘍を経験したため,報告する.
症例は78歳女性.現病歴:腎硬化症による腎不全に対し血液透析が行われていた.1ヶ月ほど前より食欲の低下があり,透析中に,血圧低下,意識レベルの低下を認めたため,当院搬送となった.既往歴:高血圧症,慢性腎不全,発作性心房細動,認知症.来院時現症:意識レベルはⅠー3,血圧 90/ 60,心拍 153回/分,体温36.7.腹部は平坦,軟,自発痛なし.WBC 20080,CRP 32.09と炎症反応の上昇を認めた.また腹部CTにて肝S7,8にかけての肝被膜下に液体貯留があり,胆嚢内には胆石と思われる高吸収域,及び胆嚢壁の肥厚,総胆管結石を認めた.肝被膜下膿瘍を経皮的にドレナージチューブを留置すると汚染した胆汁様の液体が吸引され,胆嚢との穿通が疑われた.また総胆管結石に対しERCPを行ったが,乳頭からの挿入が困難であった.総胆管結石もあり保存的治療の継続は困難と判断し手術を行った.手術所見では胆嚢から肝円索を伝い,肝S7,8の被膜下へ膿瘍腔を認めた.胆嚢切除,総胆管石灰砕石術を施行した.肝被膜下膿瘍は腔が消失しており,切除,ドレーンの追加挿入等は行わなかった.術後,大きな合併症等なく経過した.胆嚢炎の肝被膜下への穿破を経皮ドレナージと手術による治療を経験したため文献的考察を含め報告する.
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