演題

PN6-3

胆管細胞癌に対する手術療法と化学療法による治療戦略と成績

[演者] 原田 昇:1
[著者] 吉住 朋晴:1, 本村 貴志:1, 長津 明久:1, 伊藤 心二:1, 播本 憲史:1, 池上 徹:1, 副島 雄二:1, 池田 哲夫:1, 前原 喜彦:1
1:九州大学大学院 消化器・総合外科学

【はじめに】肝内胆管癌は原発性肝癌の約3~5%を占有する腫瘍で外科的切除が最も根治性の高い治療法であると考えられている.近年では根治術R0と病理学的癌遺残手術R1手術の予後の差を認めない報告を認める.
【目的】肝内胆管癌の手術療法における臨床病理学的予後因子及び根治術を考慮した治療戦略を検討する.
【対象・方法】1986年4月から2016年8月までに手術を施行可能であった肝内胆管癌90例の全生存率,無再発生存率,臨床病理学的及び手術を含めた予後因子を検討した.
【結果】全症例において男女比55:35例,平均年齢62歳,腫瘍局在は左葉:右葉で48:42,根治的治癒切除は59例(65.6%),肝葉切除以上59例(65.9%),リンパ節陽性29(32.2%)例であった.コホート全体の1,3,5年全生存率及び無再発生存率はそれぞれ74.4,54.1,45.9%及び55.5,37.6,33.6%であった.全生存率の単変量解析では,多発腫瘍(p<0.0001),最大腫瘍径>4cm(p=0.03),リンパ節陽性(p<0.0001),根治度R>0(p=0.003),出血量≧600g(p<0.0001),輸血(p=0.005),顕微鏡学的静脈浸潤(vv)(p<0.0001),顕微鏡学的リンパ管浸潤(ly)(p<0.0001),肝内転移(im)(p<0.0001),膨張性発育型(eg)(p=0.003),CEA≧48.5ng/dL(p=0.04),CA19-9≧463.7IU/L(p<0.0001)が有意な予後不良因子であり,腫瘍占有位置,腫瘍タイプは全生存率に影響を認めなかった.上記の有意な12因子を用いた全生存の多変量解析では根治度R>0(p=0.004),出血量≧600g(p=0.009)が独立予後不良因子であった.R0とR1手術においても無再発生存率(p=0.01)及び全生存率(p=0.0003)で有意差を認め,R>0群において術後補助化学療法施行群は無施行群と比較して術後生存期間を有意に延長させた(p=0.01).
【まとめ】当科では肝内胆管癌に対して手術療法での出血量を減少させた根治術を目標とし,病理学的病変遺残(R1)までを含めた非根治術における予後への影響を考慮して,根治術困難と判断した症例では,術前化学療法を施行し,コンバージョン可能な際には手術を施行し,非根治術症例に対しては化学療法を施行し,予後向上を目指している.
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