演題

PN6-1

細胆管癌切除例の臨床病理学的検討

[演者] 岡田 はるか:1
[著者] 成田 匡大:1, 直原 駿平:1, 佐治 雅史:1, 松末 亮:1, 畑 啓昭:1, 山口 高史:1, 大谷 哲之:1, 猪飼 伊和夫:1
1:京都医療センター 外科

【緒言】 細胆管細胞癌(Cholangiolocellular carcinoma;CoCC)は肝幹細胞由来の悪性腫瘍と考えられ,近年注目されている.CoCCは比較的まれな腫瘍で,報告が少なく,臨床的特徴や予後については不明な点が多い.今回,当科で経験したCoCC手術症例について臨床病理学的特徴を検討した.
【対象・方法】2010年6月から2016年10月の間に当科において手術を施行し,病理組織学的にCoCCと診断された7症例を対象とし,患者背景,手術因子,腫瘍因子,予後を検討した.病理学的脈管浸潤の評価は原発性肝癌取り扱い規約第6版に準じて行った.
【結果】平均年齢は69歳(47~75歳),男性5例,女性2例であった.肝炎ウイルスマーカーは HBs 抗原陽性が 1例,HCV 抗体陽性が 2例で,背景肝は3例すべて慢性肝炎であった.Child-Pughスコアは6例で5点(1例はワーファリン服用のため7点),全例肝障害度はAで,ICG 15分停滞率は中央値11.2%(範囲5.6-27.1%)であった.術前診断は,HCC3例,ICC4例で,CEA,CA19-9上昇が1例ずつありICCと診断し,AFP上昇1例はHCCと診断した.PIVKA-II上昇が2例(1例はワーファリン服用例,1例はCEA上昇例)で認められた.
術式は,右葉切除術1例,肝中央二区域切除術2例,前区域切除術1例,肝S6亜区域切除術1例,腹腔鏡下外側区域切除術2例で,前4例に肝門部領域のリンパ節郭清を施行した.
腫瘍個数は単発が6例,多発(4個)が1例で,最大腫瘍径は3.0cm(1.5-11.cm)であった.病理学組織的門脈浸潤は57%(vp3:1例,vp1:3例),肝静脈浸潤は42%(vv2:2例,vv1:1例),胆管浸潤は14%(b1:1例)で,病理学的脈管浸潤を認めた症例は85.7%であった.また,肝中央二区域切除術の1例は右肝静脈に接していたため同部位がR1となった.リンパ節転移はいずれも認めなかった.
術後補助化学療法はTS-1が1例,Gemcitabineが1例に施行された.7例中2例に術後4か月以内に残肝再発を認め,再発症例は1例がvp3,1例はvp1&vv2であり,内1例(vp3)は,術後1年3か月に原病死した.
【結語】 CoCCは高率に脈管浸潤を来し,治癒切除を行っても術後早期に再発をきたす症例がある.有効な化学療法の確立や予後不良因子の解明のために今後症例の蓄積による更なる検討が必要である.
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