演題

PN5-4

Mirizzi症候群TypeIIに合併した胆管結腸瘻の経験

[演者] 久保 孝文:1,2
[著者] 高橋 達也:1, 池谷 七海:1, 津高 慎平:1, 照田 翔馬:1, 柿下 太一:1, 瀬下 賢:1, 国末 浩範:1, 太田 徹哉:1, 岡 智:2,3
1:岡山医療センター 外科, 2:香川県立中央病院 外科, 3:東京医科歯科大学附属病院

【緒言】胆石症による胆嚢結腸瘻症例はしばしば報告されるが, 総胆管内に糞便, 糞石が充満した, 萎縮胆嚢が介在した胆管結腸瘻の報告はほぼ認められない.今回胃癌術後約2年半後に胆管結腸瘻をきたし, 手術により救命できた症例を経験したため報告する.
【症例】68歳.男性.2年半前に早期胃癌にてLDG(B-I再建)の既往はあったが, 胆摘の既往はなかった.【術前経過】胃癌術後のフォロー中に腹部CT検査にて多数の総胆管結石を指摘された.採血検査はWBC 5100/μl, CRP 1.82mg/dl, T-BIL 1.1mg/dl で, 軽度炎症と黄疸所見も認められたため, 内視鏡的採石を試みるため, ERCより胆管造影を施行した.総胆管内に結石を疑わせる陰影欠損像を多数認め, さらに総胆管経由で横行結腸の内腔が造影されたため,胆管結腸瘻の診断で, 胆道ドレナージ目的に総胆管内にERBDチューブを留置後, 当科にて開腹手術を施行した.【手術所見】肝門部に横行結腸側壁が強く癒着し肝門部の剥離は困難であったため, まず総胆管を切開し, 胆道鏡を挿入し, 総胆管内の糞便, 石を可及的に除去した.胆道鏡は総胆管内から瘻孔を形成した萎縮胆嚢内を通過し, さらに萎縮胆嚢と瘻孔を形成した横行結腸の内腔まで観察できた.胆道鏡を総胆管切開部から右肝管内腔まで挿入留置し,ブジーとして胆管内腔を開存維持させた状態で, 萎縮胆嚢と横行結腸の瘻孔部に自動縫合器をサイドクランプ様にかけてfireし, 総胆管と横行結腸を分離した.胆道鏡で総胆管内の糞便, 石を除去し, 残便, 残石がないことを確認したのち, 8mmのT-tubeを挿入留置して手術終了した.【術後経過】術後経過は安定しており, 術後3週間後の胆道造影で胆管内に残石がないことを確認したのちT-tubeを抜去し退院となった.以後総胆管結石の再燃を認めない.【結語】Mirizzi症候群typeIIの胆管結腸瘻の合併は稀な症例であるが, 診断, 治療法を誤ると難治性に陥り, 生命に関わる疾患である.今回上記を画像診断でき, 手術により救命できた症例を経験したため文献的考察を加え報告する.
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