演題

PN4-6

胆道癌におけるphosphor-integrated dot (PID)技術を用いたPD-L1発現検索

[演者] 良田 大典:1
[著者] 柳本 泰明:1, 里井 壯平:1, 小坂 久:1, 山本 智久:1, 廣岡 智:1, 山木 壮:1, 小塚 雅也:1, 權 雅憲:1
1:関西医科大学医学部 外科学

はじめに:Programmed cell death-1 ligand(PD-L1)は腫瘍細胞表面に発現するリガンドであり,リンパ球上に存在する受容体であるprogrammed cell death-1 (PD-1)と結合することで免疫寛容状態を誘導し,抗腫瘍免疫を回避している.そのため,PD-L1もしくはPD-1をブロックし,免疫寛容状態を解除することで,抗腫瘍効果が期待できるため,各種腫瘍において臨床応用されている.悪性黒色腫におけるCheckMate066試験,非小細胞肺癌におけるPOPLAR試験で抗PD-L1抗体および抗PD-1抗体の有効性が示された一方,同試験において一般的な3,3'-Diaminobenzidine,tetrahydrochloride(DAB)を使用した免疫染色でPD-L1陰性と判断された症例においても抗PD-L1抗体による抗腫瘍効果が認められている.そのため,DABを使用した免疫染色では真のPD-L1の発現を検出できていない可能性があり,より高感度な免疫染色方法の確立が必要であると考えられる.
目的:今回われわれはより高感度かつ客観的な免疫染色法として2次抗体と1対1で反応する蛍光ナノ粒子(phosphor integrated dot: PID)を用い,その発現量をデジタル評価する方法にて腫瘍表面のPD-L1発現を測定した.
方法:2006年1月から2015年3月までに当院で根治切除された胆道癌127例を対象とし,保存されたパラフィンを薄切しPD-L1を免疫染色で評価した.免疫染色は3,3'-Diaminobenzidine,tetrahydrochloride(DAB)を使用したDAB法と蛍光ナノ粒子を用いたPID法の2通りの方法で行い,臨床病理学的背景と比較検討した.
結果:PD-L1の発現はDAB法で11.8% (15例/127例),PID法で48.8% (62例/127例)であり,PID法でより高感度に検出可能であった.全生存期間に関してDAB法では予後に関して有意差を認めなかった (P=0.067)一方,PID法ではPD-L1陽性群で有意に予後不良であった(P=0.047).なお,PID法におけるPD-L1陽性とPD-L1陰性の全生存期間中央値は各々74ヶ月と104ヶ月であった.また,多変量解析でPID法におけるPD-L1発現は独立した予後予測因子であった(HR=2.968, 95%CI=1.376-6.821; P=0.005).
結語:PID法はDAB法と比較して高感度な免疫染色方法であり,胆道癌ではPD-L1発現が予後予測因子になりうることが示唆された.PID法による免疫染色はPD-L1の発現だけでなく,各種分子標的治療の適応評価および効果予測に有用となる可能性がある.
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