演題

PN4-5

肝内胆管癌におけるSulfataseの役割

[演者] 中村 育夫:1
[著者] 波多野 悦朗:1, 裵 正寛:1, 岡田 敏弘:1, 麻野 泰包:1, 宇山 直樹:1, 鈴村 和大:1, 近藤 祐一:1, 山中 潤一:1, 藤元 治朗:1
1:兵庫医科大学病院 肝・胆・膵外科

【目的】Sulfatase(SULF)は,ヘパリンに存在する硫酸エステルを分解する硫酸エステル加水分解酵素で,ヘパリンに結合している様々なgrowth factorとサイトカインに関与し,癌細胞の増殖,浸潤,Epitherial-mesenchymal transition,腫瘍微小環境に重要な役割を果たす.肝細胞癌では,腫瘍増殖,浸潤に重要な役割を果たすと報告されてきた.肝内胆管癌(intrahepatic cholangiocarcinoma, ICC)において,SULFの役割は不明である.今回,ICCにおけるSULFの発現とその予後について検討した.
【対象と方法】2016年11月から2015年12月までに当科で手術を行ったICC 55例のうち,亜鉛固定をした臨床検体は29例であった.この29例について,Sulfatase 1(SULF1)とSulfatse 2(SULF2)の免疫染色を行い,陽性所見(染色域)からGrade1(25%未満),Grade2(25%以上50%未満),Grade3(50%以上)に分類した.SULF1とSULF2の発現と無再発生存率,累積生存率との関連について検討した.
【結果】SULF1の発現では,Grade1:3例,Grade2:7例,Grade3:19例に,SULF2の発現では,Grade1:10例,Grade2:5例,Grade3:14例に分類された.SULF1について,Grade1の無再発生存率は0%で,Grade2(28.6%), Grade3(46.8%)に比べて有意に不良で(P=0.0020).また,累積生存率でも有意に低かった(1年累積生存率,Grade1:33.3%, Grade2:71.4%, Grade3:84.2%, P=0.0150).SULF2について,無再発生存率(1年無再発生存率,Grade1:30.0%, Grade2:40.0%, Grade3:40.8%, P=0.8644),累積生存率(1年累積生存率,Grade1:70.0%, Grade2:80.0%, Grade3:85.7%, P=0.6532)ともに各群間に有意差は認めなかった.
【結語】今回,当科での肝内胆管癌の臨床病理学的検討において,SULF2の発現と予後に明らかな相関は認めなかったが,SULF1の低発現で無再発生存率,累積生存率は有意に不良であった.

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