演題

PN4-4

進行胆嚢管癌の臨床病理学的特徴

[演者] 小田切 理:1
[著者] 木村 憲央:1, 石戸 圭之輔:1, 工藤 大輔:1, 脇屋 太一:1, 袴田 健一:1
1:弘前大学大学院 消化器外科学

【背景】胆嚢管癌(cystic duct carcinoma,以下CDC)は,UICC第7版や胆道癌取扱い規約第6版において胆嚢癌(gallbladder carcinoma,以下GBC)に分類される.一方で,胆嚢管は組織学的に固有筋層を欠く点で胆管に近く,CDCの発育・進展様式は胆管癌(bile duct carcinoma,以下BDC)に類似するという報告が存在する.予後についてもGBC・BDCと比べ予後不良であるという報告や,むしろ比較的良好であるという報告が存在し,一定の見解は得られていない.【方法】1999年1月から2013年12月までの期間に,当科で切除したUICC第7版におけるpT2以深進行胆嚢癌,肝外胆管癌236例〔CDC 11例,GBC 54例,perihilar BDC (以下PBDC)68例,distal BDC (以下DBDC)103例〕について臨床病理学的因子を比較した.【結果】CDC群の男女比は5:6,年齢は68(54-82)歳であった.8例(73%)が初診時に腹痛を自覚しており,4例(36%)が黄疸を呈していた.7例(64%)で胆嚢腫大を認めたが,胆嚢結石を伴うものは2例(18%)であった.術前診断が胆嚢管癌であった症例は1例(9%)のみであり,ほか胆嚢癌4例(36%),上中部胆管癌,中下部胆管癌,肝門部胆管癌が各1例,胆嚢炎が4例であった.術式は肝外胆管切除9例(うち胆嚢床切除術併施1例,肝右葉切除術+尾状葉切除術併施3例,肝右三区切除術+尾状葉切除術併施1例),膵頭十二指腸切除術2例(幽門輪温存1例,亜全胃温存1例)であった.病理診断はすべて管状腺癌(高分化型3例,中分化型6例,低分化型1例)であり,最終病期はII 2例,IIIA 6例,IIIB 2例,IVA 1例であった.病理組織学的にCDC群はpT3の割合がPBDC群に比して,脈管侵襲陽性の割合がDBDC群に比して有意に大きかったが,GBC群との間には有意差を認めなかった.CDC群のRelapse-free survivalは他群と比較して有意差を認めず,Disease-specific survivalはPBDC群に比して有意に良好であった.再発例ではgemcitabine (以下GEM) 単剤療法ないしGEM+S-1 (以下GS) 療法による長期生存例が存在した.【考察】臨床病理学的にCDCとGBCとの間には有意差を認めず,各規約のごとくGBCに分類することは妥当であると思われた.再発例に対してはGEM単剤療法やGS療法も選択肢となる可能性が示唆された.CDCに対してもR0切除を施行し,再発例には可及的速やかに全身化学療法を導入することで,他の胆道癌と同等の予後を獲得できると考えられた.
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