演題

PN4-3

胆嚢癌の術後遠隔成績:長期生存例の臨床病理学的特徴

[演者] 油座 築:1
[著者] 坂田 純:1, 安藤 拓也:1, 相馬 大輝:1, 石川 博補:1, 大橋 拓:1, 滝沢 一泰:1, 高野 可赴:1, 小林 隆:1, 若井 俊文:1
1:新潟大学医歯学総合病院 第一外科

【目的】進行胆嚢癌に対して種々の拡大術式が提案・実施されてきたが,その手術成績は未だ十分とは言えない.長期生存と関連する予後因子が明らかとなれば,的確な症例選択を実施することで進行胆嚢癌の手術成績向上につながると考えられる.本研究では胆嚢癌に対する根治手術後の長期成績を解析し,長期生存(5年以上)例の特徴を明らかにする.
【方法】当科で根治切除を実施され,少なくとも術後5年間以上経過観察された胆嚢癌161症例を対象とした.進行胆嚢癌に対しては胆摘+胆嚢床切除+胆管切除+領域リンパ節郭清を基本術式とし,高度肝浸潤/肝右葉の脈管浸潤陽性例には拡大肝右葉切除を,膵浸潤/膵頭周囲リンパ節転移陽性例には膵頭十二指腸切除を追加した.根治切除後の長期(5年以上)生存例と短期(5年未満)生存例との間で臨床病理学的因子を比較した.術後経過観察期間の中央値は156か月であった.
【結果】全161例の5年生存率は51%,生存期間中央値は58か月であった.胆嚢癌根治切除後の長期および短期生存例は各々80例,81例であった.予後因子解析:単変量解析では年齢,黄疸の有無,潜在性胆嚢癌,拡大手術の有無,pT分類,pN分類,pM分類,組織型,組織分化度,リンパ管浸潤の有無,静脈浸潤の有無,神経浸潤の有無,癌遺残の有無が有意な予後因子であった.これらの因子を用いた多変量解析では,年齢,pT分類,遠隔転移,組織型,静脈浸潤の有無,神経浸潤の有無が有意な独立予後因子であった.長期生存例における臨床病理学的特徴:長期生存例では短期生存例と比較して,拡大手術未施行(P<0.001),無黄疸(P<0.001),pT1+pT2例(P<0.001),領域リンパ節転移陰性(P<0.001),遠隔転移陰性(P<0.001),腺癌(P=0.023),高分化型腫瘍(P<0.001),リンパ管浸潤陰性(P<0.001),静脈浸潤陰性(P<0.001),神経浸潤陰性(P<0.001),癌遺残陰性(P<0.001)の症例が占める割合が高かった.癌遺残陽性例では長期生存例は認められなかった.pN1症例の77例中24例(31%)が長期生存した.
【結語】胆嚢癌根治切除後の長期生存には癌遺残陰性は必要条件である.領域リンパ節転移陽性の長期生存例は決してまれではなく,領域リンパ節郭清は胆嚢癌の成績向上につながる.
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