演題

PN4-1

遠位胆管癌切除後症例における早期再発の危険因子についての検討

[演者] 松永 雄太郎:1
[著者] 樋口 亮太:1, 谷澤 武久:1, 植村 修一郎:1, 出雲 渉:1, 椎原 正尋:1, 渋谷 豪:1, 山本 雅一:1
1:東京女子医科大学病院 消化器外科

背景
遠位胆管癌術後の成績はまだ十分とは言えず, 再発様式として肝転移再発,局所再発,腹膜播種再発,リンパ節再発などがあるが再発後の経過は不良である.

目的
遠位胆管癌の再発形式と再発時期についてretrospectiveに検討し, 早期再発の危険因子について考察する

対象と方法
当院で2000年1月から2015年12月までの間で, 幽門輪温存膵頭十二指腸切除術または亜全胃温存膵頭十二指腸切除術が行われた遠位胆管癌の症例160例を対象とした. 再発形式の定義は再発腫瘍が最初に認識された部位を単発,多発に限らず再発部位とし,再発時期と予後について検討した.

結果
検討症例160例の5年全生存率は55.1%であった.予後に影響を与える因子について,リンパ節転移の有無,切除リンパ節総数(中央値13個, 13以上と未満), 陽性リンパ節比率:LNR(0.20以上と未満),高度脈管侵襲(v2以上と定義), 高度リンパ管侵襲(ly2以上と定義), 高度神経周囲浸潤(pn2以上と定義), 血管浸潤の有無,膵浸潤の有無,高分化腺癌(tub1, tub2, pap)で無いこと,癌の遺残の有無,術後補助化学療法の有無の11項目でloglank法を用いて検討したところ,リンパ節転移の有無,高度脈管侵襲,血管浸潤の有無が予後因子であった.
再発は68例認めた. 肝転移再発は26例(38.2%),再発時期の中央値(以下全て中央値で記載)は9.5月,術後生存期間は17.8月であった.リンパ節再発は21例( 30.9%),再発時期14.5月,術後生存期間34.5月であった. 局所再発は19例(27.9%),再発時期19.4月,術後生存期間33.2月であった. 他に肺転移再発(7例),腹膜播種再発(2例), 脳転移(2例), 骨転移(1例)を認めた.肝転移再発は最も早期に再発し予後が不良な再発様式と思われた.
術後12ヶ月以内の早期再発例は38例認め, 肝転移19例, リンパ節転移10例, 局所再発10例, 肺転移3例(重複あり)であった.同様に上述の11項目で検討すると,高度リンパ管浸潤(OR 8.92, p=0.0019)が早期再発の危険因子であった.
切除時の病理標本でリンパ節転移陰性であった症例でも高度リンパ管侵襲を伴う症例は21例認めており,これらの症例は4例早期再発を来たしていた.

結語
組織診断でリンパ節転移陽性であっても高度リンパ管侵襲を有する場合は早期再発のリスクが高いと考えられた.
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