演題

PM6-4

腹腔鏡下胆管十二指腸吻合30例の検討

[演者] 大町 貴弘:1
[著者] 石川 佳孝:1, 鈴木 衛:1, 水崎 馨:1, 矢永 勝彦:2
1:医療法人社団志人会三島中央病院, 2:東京慈恵会医科大学附属病院 肝胆膵外科

原発性胆管結石や再発胆管結石症例に対する治療においては内視鏡的治療は不適であり,胆管消化管吻合を施行することが一般的である.一般的には開腹下の胆管消化管バイパスである空腸吻合術がなされることが多いと思われるが,胆管十二指腸吻合術も欧米では多くなされている.原発性胆管結石もしくは再発胆管結石患者は発症年齢が比較的高齢で,開腹手術の侵襲を考慮した際に相対的に内視鏡治療の適応としている場合も少なくないと思われる.しかし結石の遺残や早期の再発,症状の再燃をきたすことは多い.そのような状況下で開腹手術の侵襲を考慮すれば,われわれは腹腔鏡下手術が選択肢となる可能性はあると考えている.消化管バイパスとしての胆管十二指腸吻合術は隣接した臓器であり,腹腔鏡下手術も可能である.われわれは以前より胆嚢胆管結石に対する一期的腹腔鏡下手術を施行しているが,開腹手術にくらべて患者の身体的負担や入院期間,医療コスト面,治療成績において有利であることを認識している.今回われわれは胆管消化管バイパスの適応となる症例に対し腹腔鏡下胆管十二指腸吻合術を30例に施行したので,その治療成績を報告する.30例の内訳は男性15例,女性15例で,平均年齢は80.7歳であった.手術に関しては平均手術時間164.1分,出血65.3gであった.術後入院期間は平均で20.9日(9から64日間)であり,合併症症例を除いた平均は18.2日間であった.早期合併症は胆汁瘻が多く,30例中5例に認められたがいずれも保存的に改善した.出血は2例に認められ2例とも再手術を要した.晩期合併症としては胆管炎が2例認められたがいずれも保存的に改善した.手術成績,合併症に関しては当院で施行した開腹胆管十二指腸吻合術10例と比較しても同等もしくは少なく,入院期間は腹腔鏡下手術のほうが有意に短期間であった.原発性胆管結石症例や再発結石症例など胆道付加手術が必要となる症例は,ESTの普及や高齢化などの要因で増加する可能性がある.胆道付加手術が必要な症例での腹腔鏡下胆管十二指腸吻合術は,社会的,身体的負担も少なく利用価値の高い術式であると思われる.
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