演題

PM6-3

腹腔鏡下胆嚢摘出術における極細径胆道ファイバーを用いた術中胆道鏡の有用性について:preliminary study

[演者] 松村 卓樹:1
[著者] 小松 俊一郎:1, 駒屋 憲一:1, 宮地 正彦:1, 有川 卓:1, 石黒 成治:1, 齊藤 卓也:1, 大澤 高陽:1, 倉橋 真太郎:1, 山中 美歩:1
1:愛知医科大学病院 消化器外科

【背景,目的】総胆管結石症に対する,腹腔鏡下総胆管結石摘出術(LCBDE)には,侵襲的治療の回数を低減し入院期間を短縮できるという明らかなメリットがあるにもかかわらず,その手技は難度が高く,一般的に普及しているとは言い難い.LCBDEには,経胆嚢管法と胆管切開法があり,経胆嚢管法は胆管切開法に比べ胆管の切開や縫合閉鎖の必要がないため手技が簡便で,術後合併症率も低い.しかし胆嚢管法の成功率は胆嚢管の解剖学的条件に左右され,また胆嚢管を通せる細径胆道鏡の解像度が悪く得られる画質も低い.そこで近年発売された高画質の極細径ファイバースコープ(φ2.5mm)を用いて経胆嚢管的胆道鏡を行い,その成功率を評価した.【対象,方法】胆嚢結石の診断で腹腔鏡下胆嚢摘出術(LC)を予定している患者の中で,術前に総胆管結石を指摘された,もしくは疑われた症例を対象とし,術中胆道造影と経胆嚢管的な極細径胆道鏡により胆管の観察を行った.経乳頭的治療を施行された症例を対象に含めた.【結果】2016年3月~2016年11月の間に胆嚢摘出術を126例に施行し,そのうち124例にLCを施行した.その中で,対象症例9例において経胆嚢管的胆道鏡を試みた.胆管内へ胆道鏡が挿入可能であった症例は9例中6例(66.7%)であった.挿入できた6例で全て乳頭の観察が可能であったが,上流側まで観察できたのは1例のみであった.総胆管結石を1例に認め,バスケット鉗子で摘出できた.6例中2例にドレーンを留置した.術後,1例に無症候性の膵炎を認めたが,胆汁漏,遺残結石は認められなかった.手術時間は中央値149.5分.出血量は中央値4ml,術後在院日数は中央値3.5日であった.挿入できなかった3例中2例で胆道造影は可能で,総胆管結石がないことを確認した.1例で胆道造影も不可能であった.【結語】極細径ファイバースコープが腹腔鏡下の術中胆道鏡に使用可能であることが明らかになった.今後さらなる症例の積み重ねが必要だが,極細径ファイバーを用いることで,経胆嚢管法によるLCBDE成功率が上昇することが期待される.
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