演題

PM5-3

急性胆嚢炎発症高齢高リスク患者に対する緊急腹腔鏡下胆嚢摘出術の安全性評価

[演者] 田代 良彦:1,2
[著者] 佐藤 徹:1, 藤岡 稔洋:1, 牧田 英俊:1, 古泉 友丈:2, 藤森 聡:2, 渡辺 誠:2, 大塚 耕司:2, 青木 武士:2, 村上 雅彦:2
1:牧田総合病院 外科, 2:昭和大学病院 消化器・一般外科

【目的】当院では急性胆嚢炎に対して積極的に早期の腹腔鏡下胆嚢摘出術(以下LSC)を実施している.高齢者患者の増加と共に併存疾患を有する高リスク患者の緊急手術症例に遭遇する機会も増加している.今回,高齢高リスク患者に対する緊急LSCの安全性を検討した.
【対象と方法】対象は2011年1月から2016年11月までに当科で急性胆嚢炎に対して緊急LSCを施行した65例.高リスク群を①80歳以上の高齢者,②併存疾患は糖尿病,心疾患,抗凝固薬の内服のいずれかを有する患者と定義し,①80歳以上の高齢者群14例(81-94歳)と80歳未満の対照群51例(28-79歳),②併存疾患群20例と無併存疾患群の対照群45例について,発症から手術までの期間,重症度分類(急性胆管炎・胆嚢炎診療ガイドライン2013),開腹移行例,手術時間,術中出血量,術後合併症(Clavien-Dindo分類GradeⅡ以上),術後在院日数について検討した.
【結果】①高齢者群と対照群について,発症から手術までの時間は高齢者群(72時間以内:9,それ以降:5),対照群(37,14)で有意差は認めなかった.重症度分類では,高齢者群(重症:2例,中等度11例:,軽症:1例),対照群(0,25,26) (p=0.004)であり,高齢者では軽症例の割合が有意に少なかった.平均手術時間は高齢者群116分(60-195),対照群86分(45-260)(p=0.45).平均術中出血量は高齢者群113ml(5-800),対照群89ml(5-690)(p=0.697).開腹移行症例は高齢者群2例,対照群6例に認められた(p=1).術後合併症は,高齢者群3例(Ⅱ:1,Ⅲa:2),対照群5例(Ⅱ:1,Ⅲa:4).術後平均在院日数は高齢者群20日(5-109),対象群は8.8日(3-65)(p=0.014)であった.②併存疾患群と対照群について,発症から手術までの時間は併存疾患群(72時間以内:5,それ以降:15),対照群(12,33) (p=1)で,重症度分類は併存疾患群(中等症15:,軽症:5),対照群(重症:2,中等:21,軽症:22) (p=0.10)であった.平均手術時間は併存疾患群117分(60-225),無併存疾患群109分(45-260)(p=0.47),平均術中出血量は併存疾患群50ml(5-555),無併存疾患群96ml(5-690)(p=0.85).開腹移行症例は併存疾患群3例,無併存疾患群5例であった (p=0.69).術後合併症は,併存疾患群3例(Ⅱ:2,Ⅲa:1),無併存疾患群5例(Ⅲa:5).術後平均在院日数は併存疾患群14日(5-65),無併存疾患群は9.9日(3-109)(p=0.1)であった.
【結論】高齢者は術前の胆嚢炎の重症度が高く,術後の在院期間が長くなる傾向があった.手術に関しては,高齢者及び併存疾患患者に対し安全性が保たれていると言えた.
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