演題

PM4-4

当院における急性胆嚢炎に対するガイドラインに従った緊急腹腔鏡下胆嚢摘出術の検討

[演者] 原田 真之資:1
[著者] 北上 英彦:1, 野々山 啓介:1, 藤幡 士郎:1, 宮井 博隆:1, 髙嶋 伸宏:1, 安田 顕:1, 山本 稔:1, 清水 保延:1, 田中 守嗣:1
1:医療法人豊田会 刈谷豊田総合病院

緒言
急性胆嚢炎に対する早期手術は,本邦ガイドラインでは発症から72時間以内に行うことを推奨している.しかし,現状では画像診断や診療体制などの病院側の問題,発症からの時間が不明確であることや合併症など患者側の問題から,緊急手術として腹腔鏡下胆嚢摘出術(以下ELC)を行うことは困難な場合が多いと考える.当院では受診時に緊急で画像診断を行い,発症早期の急性胆嚢炎と診断した場合はELCを積極的に行ってきた.今回,我々の施設においてガイドラインに従ってELCを行った症例を検討した.
方法と対象
我々の施設において2014年1月から2016年12月までにELCを施行した45例を対象とした.
検討対象は胆嚢穿孔,汎発性腹膜炎を生じた症例,心肺の重篤な合併症を有する症例,黄疸,胆管拡張などの胆管結石,悪性腫瘍の合併が疑われる症例,胆嚢炎の診断に疑いのある症例や無石胆嚢炎症例は除外した.45例の手術時間,出血量,合併症の発生率,開腹移行率,入院期間について2016年に行った待機的腹腔鏡下胆嚢摘出術(以下LC)と比較検討した.
結果
45例の手術時間,出血量の中央値は101.5分,10gでLC群と比較し手術時間は長く出血量は多かった.開腹移行についてはLC群においては0例であったが,ELC群では2例認められた.合併症はLC群では認めず,ELC群で肝機能障害を1例,麻痺性イレウスを2例認めたがいずれも保存的に改善した.入院期間の中央値はELC群では3日間でLC群の3日間と比較し差は認めなかった.発症72時間以内の急性期手術において胆嚢周囲は浮腫状で待機的手術より胆嚢周囲の剥離は容易であるが易出血である点において手術時間延長の要因であると考えられた.
結語
当院で行ったガイドラインに従ったELCは,LCと比較し手術時間の延長,出血量の増加は認めたが,重篤な合併症もなく入院期間も差を認めなかった.以上より,ガイドラインに従ってELCを行うことは妥当と考えられた.
しかし今検討においては術者間差などついてさらなる検討していく余地があり今後症例を積み重ねて報告していきたい.
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