演題

PM4-3

当院における開腹胆嚢摘出術の検討

[演者] 市東 昌也:1
[著者] 相浦 浩一:1, 三原 規奨:1, 井上 正純:1, 菊池 弘人:1, 和多田 晋:1, 萬谷 京子:1, 夏 錦言:1, 掛札 敏裕:1
1:川崎市立川崎病院 外科

【目的】胆嚢炎手術に対して腹腔鏡下胆嚢摘出術が現在標準術式となっている一方で,高度炎症および癒着による剥離困難症例,止血困難症例に対しては移行を含む開腹術式が選択されている.今回われわれは開腹および開腹移行症例を検討し合併症予防策および今後の対応について考察を加えたので報告する.
【対象・方法】2012年1月より2016年11月までの間に胆嚢摘出術を施行した383症例のうち,当初より開腹(以下O群)および開腹移行(以下L→O群)により手術を行った58症例(15.1%)を対象とした.
【結果】男性39例,女性19例,平均年齢68.5歳(31-89)であった.O群が36例(62%),L→O群が22例(38%)であり開腹移行率は22/347例(6.3%)であった.緊急手術が18例(O群15例,L→O群3例)であった.症例の内訳は胆石性胆嚢炎24例,胆嚢周囲膿瘍11例,特発性胆嚢穿孔(疑い)5例,壊疽性胆嚢炎5例,気腫性胆嚢炎2例,胆嚢捻転症2例,外傷性胆嚢穿孔および胆嚢出血2例,Mirizzi症候群2例,胆嚢腸管瘻2例,黄色肉芽腫性胆嚢炎2例,医原性胆嚢穿孔1例であった.当初より開腹手術を選択した理由は,汎発性腹膜炎合併,高度癒着,併存疾患,年齢等を考慮し術者の判断によった.また開腹移行理由は,Calot三角の解剖不明および胆嚢管周囲の剥離困難,上腹部手術既往を含む癒着剥離困難,胆管損傷,出血であった.手術時間,出血量,術後在院日数はそれぞれ180分(86-332),294ml(0-2534),12.9日(4-37)であった.術後合併症は,胆汁瘻4例(再開腹手術1例,ENBD3例),腹腔内血腫1例,創感染5例,誤嚥性肺炎1例,腹壁瘢痕ヘルニア嵌頓1例であった.手術関連死は認めなかった.
【結語】高度胆嚢炎症例に対する開腹および開腹移行症例では術前より手術操作が困難であることが予想されるため,より慎重,確実な手術操作が必要である.また腹腔鏡下手術を行う際に高度の炎症癒着症例や解剖学的位置関係が明確でない症例では安全性を担保できない場合が多く,開腹手術に移行することが重要である.
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