演題

SY14-2

転ばぬ先の杖―尾側膵切除後膵液瘻高リスク症例に対するDuVal変法

[演者] 宮坂 義浩:1
[著者] 森 泰寿:1, 仲田 興平:1, 永井 俊太郎:1, 大内田 研宙:1, 真鍋 達也:1, 大塚 隆生:1, 永井 英司:1, 中村 雅史:1
1:九州大学大学院 臨床・腫瘍外科学

【背景】尾側膵切除は膵体尾部の良性・悪性疾患に対する治療として広く行われている手技であるが,膵液瘻の頻度は比較的高く,これまで様々な膵切離・断端処理の工夫が行われてきたが,膵液瘻の予防法の確立には至っていない.当科では厚い膵実質が尾側膵切除後の膵液瘻のリスク因子であることを報告しており,また慢性膵炎による硬化膵・膵管狭窄を呈する症例・膵管癒合不全症例なども膵液瘻リスクが高いと考えている.そのため,これらの症例に対して膵断端にRoux-en Yで挙上した空腸を吻合するDuVal変法を施行している.【方法】膵切除に関しては通常同様施行し,膵離断は自動縫合器もしくは超音波凝固切開装置で行う.空腸をTreitz靱帯から30㎝の部位で切離して,肛門側を結腸後経路で挙上し,空腸の腸間膜対側を切開して,膵断端を嵌入するように自動縫合器を使用したときは1層で,超音波凝固切開装置で切離したときは2層で縫合する.挙上空腸の肛門側でY脚を作製する.【結果】2006年から2015年までに当科で尾側膵切除を行った309例中膵液瘻のリスクが高いと考えられた19例(開腹14例,鏡視下5例)にDuVal変法を施行した.DuVal施行群とDuVal非施行群の比較を表に示す.DuVal施行群は膵液瘻の高リスク群であったにもかかわらず,膵液瘻・総合併症の発生頻度に有意差は見られず,術後経過もほぼ同等であった.【結語】DuVal変法は膵液瘻高リスク症例における尾側膵切除に対して有用な手技であると考えられ,この手技について開腹と鏡視下のビデオを供覧する.

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