演題

PL6-7

当院における膵癌患者における免疫細胞療法の検討

[演者] 金子 哲也:1
[著者] 池田 匡宏:1, 小松 義直:1
1:光生会病院 外科

【背景】癌治療の進歩に伴い免疫細胞療法も徐々に普及している.今回当院で免疫細胞療法を施行した膵癌患者につき検討した.

【対象】当院で過去7年間に施行した免疫細胞療法を施行した87例中,膵癌患者9名である.男性4例,女性5例.平均年齢は61歳(45-79歳)である.手術例3例(切除1例),非手術例6例,全例stageIVbで切除不能再発例であった.化療は8例に施行されGEM単独3例,GEM+nab-PTX1例,GEM+erlonitib 1例,TS1 2例,FOLFIRINOX 1例であった.また同時期に治療した膵癌患者11名(切除7例,非切除4例)を比較の対象とした.

【治療内容】活性化自己リンパ球療法であるαβ-Tと樹状細胞ワクチン療法(DC)である.手術標本,生検等で癌部の検体が得られた場合はMHC-1染色を施行し陽性の場合は基本的にαβ-T+DCを施行した.DCはHLA typingに基ずき選択されたpeptideを用い誘導した.しかし膵癌例では検体の得られない例が多く,今回MHC-1の検索ができた例は3例であった.αβ-Tは9人に74回,DCは6人に49回施行された.αβ-TとDC同時試行例が5例,αβ-T,DC単独施行例が3例であった.

【治療内容と結果】
① いずれの治療においても有害事象は認められなかった.
② αβ-T治療回数と生存期間を検討した.
αβ-Tは1人あたり8.2回施行され免疫細胞療法治療開始後の平均生存日数は415日(42~1431日)であった.両者の間に相関関係は認められなかった(r=0.047, p=0.66).
③ DC治療回数と生存期間を検討した.
DCは1人あたり7.8回施行され治療開始後の平均生存日数は290日(42~601日)であった.両者の間に相関関係は認められなかった(r=0.19, p=0.36).
④ MHC-1 2+が1例,3+が2例であったが生存期間に差は認められなかった(281日vs 120日).
⑤ 免疫細胞療法施行例9例と同時期に治療された免疫細胞療法非施行膵癌11例の生存期間を比較した.
前者が414±418後者が750±491日であり両者に有意差は認められなかった(p=0.124).

【結語】今回の検討では免疫細胞療法は膵癌患者に対する生存期間の延長には寄与しなかった.しかし個別にみると数字には出にくいが免疫細胞療法の単独施行期間に於いて効果の認められた例も確かにある.現時点では症例数が少なく背景条件も非常に異なるので今後さらに症例数を増やして検討を加えていきたい.
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