演題

PL5-7

膵原発glomus腫瘍の1例

[演者] 細田 洋平:1
[著者] 佐々木 優:1, 岡部 あさみ:1, 杉本 尭:1, 西山 和宏:1, 大島 侑:1, 河本 泉:1, 清地 秀典:1, 滝 吉郎:1, 今村 正之:1
1:関西電力病院 外科

【はじめに】glomus腫瘍は,毛細血管の先端にある動静脈吻合叢の神経筋性装置(glomus body)に由来する良性腫瘍で,四肢末端や体幹の真皮や皮下に生ずる有痛性の小さな腫瘍としてよく知られているが,膵臓に発生するのは極めてまれである.今回,術前は膵神経内分泌腫瘍と診断していたが,切除した標本の病理組織検査の結果,膵原発glomus腫瘍と診断した一例を報告する.【症例】46歳女性.食後の嘔吐にて救急受診し,腹部エコーにて膵腫瘍を指摘された.腹部ダイナミックCT検査で37×31mm大の多血性腫瘍を認め,EUS-FNAを施行した.小型立方状の異型細胞が索状に増殖しており,シナプトフィジン陽性,クロモグラニンA陰性,Ki67 index=10/534=1.9%で膵神経内分泌腫瘍(NET G1)と診断された.上腸間膜静脈は狭窄しており,腫瘍の浸潤が疑われた.門脈合併切除を伴う亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.切除標本の病理組織検査で腫瘍は比較的整った円形の細胞から構成されておりStaghorn配列を含む特有の血管構築が見られた.腫瘍細胞ではCD56,クロモグラニンA,シナプトフィジンがすべて陰性であり,神経内分泌腫瘍は否定的であった.サイトケラチン,c-kit,DOG1,alpha-antitripsin,alpa 1-ACTがすべて陰性でカルデスモン,beta-カテニン,CD34が腫瘍細胞でびまん性に陽性であった.CD31は血管内皮細胞のみで陽性で,Ki67 indexは2%であった.以上より膵原発のsolitary fibrous tumorとglomus腫瘍が鑑別に挙げられたが,STAT6が腫瘍細胞で完全に陰性でglomus腫瘍と診断した.【考察】医学中央雑誌にて「glomus腫瘍」「膵」をkey wordに検索した結果,膵原発glomus腫瘍の報告は認めなかった.Pub medにて『glomus tumor』『pancreas』をkey wordに検索した結果,膵原発のglomusu腫瘍は1例の報告を認めるのみであった.術前診断は膵神経内分泌腫瘍と診断されたが,クロモグラニンA陰性であったことなどから鑑別できた可能性があると考えられた.【結語】術前診断困難であった膵原発として極めてまれなglomus腫瘍の切除例を経験したので報告する.
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