演題

PL5-3

膵Solid-pseudopapillary neoplasmの術式検討

[演者] 工藤 遊山:1
[著者] 西原 一善:1, 渡邉 雄介:1, 阿部 祐治:1, 中野 徹:1, 田口 匠平:2, 田宮 貞史:3, 豊島 里志:3
1:北九州市立医療センター 消化器外科, 2:北九州市立医療センター 小児外科, 3:北九州市立医療センター 病理

【背景】膵Solid-pseudopapillary neoplasm(以下SPN)は若年女性に好発する比較的希な低悪性度腫瘍で,原則外科的治療が適応となる.しかし,不完全切除例で再発の報告もあり,腫瘍の完全切除が重要になる.
【対象と方法】1979年から2016年までに当科で外科的切除を行ったSPN 7例を臨床病理学的に検討した.
【結果】症例の年齢は9歳から66歳までで(平均33歳),男性1名,女性6名で女性に多かった.部位はPh 2例,Pb 2例,Pbt 1例,Pt 1例で,PhとPbtの多発例が1例あった.
手術術式は 膵頭部で膵管から距離のあった症例では腫瘍核出術を(1例),膵頭部で膵管からの距離がほとんどない症例で膵頭十二指腸切除術を(1例),比較的大きな体部・尾部腫瘍には膵体尾部切除術を(2例),脾動静脈との距離が取れた2例では脾動静脈温存膵体尾部切除術を,膵体尾部の巨大な腫瘍と膵頭部腫瘍の女児には,脾動静脈温存膵体尾部切除術+膵頭部腫瘍核出術を施行した.脾動静脈温存膵体尾部切除のうち1例は腹腔鏡下手術を行った.
切除標本の肉眼的には限局性の腫瘤で,4例で被膜形成が認められた.
割面では,赤色の出血嚢胞性部分と黄色の腫瘍成分が混在していた.
組織学的には6例では異型の乏しい単一形の上皮細胞が充実性~偽乳頭状に発育していた.1例では高度の核異型が認められた(膵臓 29:913,2014).
免疫染色では 検索した6例でβカテニン,ビメンチン陽性であった.
術後経過は良好で,3ヶ月から37年の経過観察期間で,再発は認めていない.
【結語】SPNは治癒のためには完全切除が重要である.一方,膵の内分泌・外分泌機能温存のためには,部位,大きさ,膵管との位置関係を勘案して,1例ずつ症例に応じた適切な術式を検討する必要がある.
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