演題

PL5-1

当院にて切除したSolid Pseudopapillary Neoplasm 14例の臨床病理学的検討

[演者] 北川 彰洋:1
[著者] 浅岡 忠史:1, 江口 英利:1, 岩上 佳史:1, 山田 大作:1, 野田 剛広:1, 和田 浩志:1, 後藤 邦仁:1, 森 正樹:1, 土岐 祐一郎:1
1:大阪大学大学院 消化器外科

【背景】膵Solid Pseudopapillary Neoplasm(以下,SPN)は膵腫瘍の2~3%と比較的稀な腫瘍で,若年女性に多く見られる低悪性度腫瘍の一つであり,再発をきたす症例は少ないとされる.また,男性に認める症例も少ないながら見られており,その臨床病理学的知見の集積は術式を検討するうえでも重要と考える.
【対象・目的】
当科にて切除したSPN14例における臨床病理学的特徴を男女別に比較するとともに,長期予後について検討した.
【結果】全症例における年齢は中央値30歳(16-63),男性/女性で4/10例,局在は膵頭部/体尾部で3/11例で膵体尾部(78.6%)に多く認めた.症状を認めたのは5例であり主に腹痛であった.画像所見では嚢胞成分(10例,71%),充実成分(14例,100%),石灰化(11例,79%)が特徴で,全例においてこれらの混在が見られた.腫瘤径の中央値は31(9-130) mm,FDG集積SUVmaxの中央値は3.1(0-8.8)で,ほとんどの症例(13/14例,93%)で術前診断が可能であった.病理組織学的に膵内への浸潤を示したものが5例(36%)に見られたが,リンパ節転移などは全例で認めなかった.
男女別の比較では,年齢,局在部位,画像所見に有意差を認めなかったが,腫瘍径は女性で42.5(16-130) mmと男性の28.5(9-30) mmに比して大きい傾向があり,病理組織学的所見においては出血成分が女性で有意に多く認められた(8例,p=0.015).その他,核分裂像,石灰化,脈管浸潤,免疫染色などにおいては明らかな有意差は認めなかった.術式については膵頭十二指腸切除3例,膵体尾部切除1例,腹腔鏡下膵体尾部切除10例(脾温存4例)であり,長期予後について術式,性別にかかわらず,これまで再発,遠隔転移を来した症例を認めていない.
【結語】膵SPNは,性別にかかわらず,切除後の予後は良好で,臓器温存術式を適応とするに妥当であると思われた.
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