演題

PL4-7

複数回手術を含む集学的治療により長期生存が得られた膵腺房細胞癌の一例

[演者] 北浦 良樹:1
[著者] 奥田 翔:1, 松下 章次郎:1, 豊田 秀一:1, 楠本 正博:1, 土居 布加志:1
1:互恵会 大阪回生病院

【背景】膵腺房細胞癌(acinar cell carcinoma)は膵腺房細胞から発生する腫瘍であり,成人の膵外分泌腫瘍の約1%程度,小児の膵外分泌腫瘍の約15%程度を占めると報告されている.治癒の基本は手術療法であるが,再発例に対して化学療法も施行される.近年では5-fluorouracil(5-FU)やcisplatin,gemcitabineなどを用いて比較的良好な結果が得られているが,稀な疾患であるため定型的なレジメンは存在しない.【症例】58歳男性.既往歴は特記なし.検診で肝機能異常を指摘され当院受診となった.【経過】精査で膵頭部にPET-CTでFDG集積を伴う腫瘍性病変を指摘された.主膵管は7㎜大に拡張.明らかな遠隔転移を認めなかったため,膵頭十二指腸切除を施行された.術後最終病理は Pancreas acinar cell carcinoma Ph,TS3(46mm),T3(DU+),N0(0/49),M0,stageⅢであった.術後補助化学療法をしてS-1内服を行ったが肝転移出現.TACE及びgemcitabineの全身投与,cisplatinの動注療法を行った.画像的にCRが得られて数年経過したが再発を認め,術後4年で再手術を行った.その後,6か月で腹腔内再発が起こり,再手術後約1年で死亡確認となった.【考察】異時性に転移,再発を伴う膵腺房細胞癌において完全な病勢コントロールは困難であるが,手術を軸に抗癌剤を用いることで比較的良好な予後が得られた.今後も症例を蓄積し,A膵腺房細胞癌に対する集学的治療を定型化することが望まれる.

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