演題

PL4-4

外科的切除を施行した腎細胞癌術後膵転移3例の検討

[演者] 池田 貴裕:1
[著者] 池松 禎人:1, 関本 晃:1, 宮﨑 真一郎:1, 大菊 正人:1, 林 忠毅:1, 田村 浩章:1, 平山 一久:1, 金井 俊和:1, 西脇 由朗:1
1:浜松医療センター 消化器外科

【はじめに】腎細胞癌は血行性転移をおこしやすく,主な再発部位は肺,骨,肝などが多いとされ再切除は難しい.一方で膵臓への転移は比較的稀であるが,転移巣の外科的切除を行えれば生存率の延長が報告されている.今回,当科にて腎細胞癌術後膵転移で外科的切除を行った3症例について検討を行った.
【対象】当院における2006年6月から2016年8月までの腎細胞癌手術および腎細胞癌術後膵転移について検討した.
【結果】期間中の腎細胞癌手術数は56例であった.膵転移の原発は左腎細胞癌が2例,両側腎細胞癌が1例であった.膵転移再発時の平均年齢は63(57-69)歳.腎細胞癌術後から膵転移再発までの平均期間は10.3(8-13)年.全例とも再発時の自覚症状はなく,定期フォローのCT検査で指摘された.転移部位は体部1例,尾部2例.全例で膵体尾部切除を施行しており,病理診断でも淡明細胞型腎細胞癌の膵転移として矛盾しない所見であった.全例とも術後早期に膵液瘻を認めたが,症状なし,もしくは保存的治療により治癒している.遅発性の合併症は特に認めていない.1例(膵転移術後10年6カ月)は肺転移と右副腎転移を認め,IFN治療後にソラフェニブ投与にてSDとなっている.2例(膵転移術後3年7カ月,5カ月)は無再発にて経過観察中である.
【考察】転移巣を有する腎癌患者のうち,PS が良好で転移巣が切除可能な場合は,転移巣に対する外科的治療が推奨されており,切除に関する複数の報告がある.再発部位として多い肺,骨,肝の切除後の5年生存率は50%を下回る報告が多いのに対し,膵切除後5年生存率は72.6~88%と報告されている.当科で経験した3症例については,観察期間が短い症例はあるものの早期に死亡した症例はなく,良好な経過をたどっていることから切除による予後延長が期待される.
【結語】腎細胞癌術後膵転移は稀ではあるが,全身状態が許容すれば予後改善のための外科的切除が望ましいと考えられる.
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