演題

SY13-8

局所進行胆嚢癌に対するdownsizing chemotherapy後のconversion surgeryによる根治切除

[演者] 加藤 厚:1
[著者] 大塚 将之:2, 清水 宏明:2, 吉富 秀幸:2, 古川 勝規:2, 高屋敷 吏:2, 久保木 知:2, 東原 琢:1, 池田 佳史:1, 宮崎 勝:1
1:国際医療福祉大学三田病院 外科・消化器センター, 2:千葉大学大学院 臓器制御外科学

胆嚢癌は切除率も低く,切除後の予後もいまだ不良である.我々は局所進行胆嚢癌に対してdownsizing chemotherapyにより腫瘍の縮小効果,脈管浸潤の改善所見を認めた症例に対して積極的にconversion surgeryを行い,その有用性について報告してきた.Gemcitabine単独,2011年からはGemcitabinとcisplatinの併用療法を化学療法剤として使用し,20例の当初切除不能と判断された遠隔転移のない局所進行胆嚢癌に対して化学療法を行い,腫瘍の縮小により切除可能となった7症例(conversion rate 35%)を経験した.切除症例の中には5年以上の生存症例もあり,当初切除不能と判断された症例の中で切除可能であった症例は,有意に予後の延長効果を認めた.ビデオにて症例を供覧する.62歳女性.嘔吐と腹痛を主訴に来院され,CT検査などで肝および十二指腸に直接浸潤を有する巨大な胆嚢癌を認めた.肝十二指腸間膜浸潤,固有肝動脈浸潤を認めたため,gemcitabineによる化学療法を施行した.化学療法施行後,速やかに腫瘍マーカーは減少してRECIST判定ではPRの所見であり,化学療法開始より10カ月後に肝右3区域切除術,胆管切除術,十二指腸部分切除,横行結腸部分切除,胆管空腸吻合術を施行により根治切除を得ることができた.我々はこうした局所進行胆嚢癌に対してdownsizingを目的とした化学療法を導入し,腫瘍の縮小の得られた症例で切除可能と判断された症例に関しては,肝切除,血管合併切除などの積極的な外科切除を行っている.胆嚢癌においても根治切除率の上昇および長期の生存を目指した集学的治療戦略の一つとして期待される.
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