演題

PL4-1

退形成性膵管癌の6切除例

[演者] 風當 ゆりえ:1
[著者] 三木 厚:1, 遠藤 和洋:1, 小泉 大:1, 笹沼 英紀:1, 佐久間 康成:1, 堀江 久永:1, 細谷 好則:1, 北山 丈二:1, 佐田 尚宏:1
1:自治医科大学 消化器・一般外科

退形成性膵管癌は浸潤性膵管癌の中でも稀な組織型であり,腫瘍学的特徴はいまだ明らかではない.
2006-2015年の10年間,当科では退形成性膵管癌の6例を経験したので報告する.

年齢は55~79歳(平均年齢68歳),男女比は3:3であった.腫瘍径は10~63 mm(平均30mm)であった.局在は膵頭部1例,膵体部3例,膵体尾部2例であり,幽門輪温存膵頭十二指腸切除術1例,膵体尾部切除+脾摘術4例,膵体尾部切除+脾摘+胃局所切除+結腸合併切除術1例を施行し,全例R0根治手術であった.臨床病期はⅠB 1例,ⅡA 1例,ⅡB 2例,Ⅲ1例,Ⅳ(→ⅠB)1例(膵癌取り扱い規約7版)であった.
全例再発がみられ,術後再発部位は局所再発1例,肝転移5例,無再発生存期間は35~128日で平均82日間であった.
術後補助化学療法は,4例に施行(Gemcitabine(以下GEMとする)2例,GEM→RT,GEM→S-1)した.術後生存期間は3~9ヶ月で平均6ヶ月間であった.全生存期間は4~23ヶ月で平均9ヶ月であり,術前化学療法を施行した1例を除いた5例は1年以内であった.

術前化学療法後肝転移の消失を認め腫瘍切除術を施行した症例を提示する.
症例:79歳の女性.膵体尾部癌と単発肝転移と診断され,術前化学療法の方針となった.S-1を11コース施行後肝転移が消失し,膵体尾部切除+脾摘を施行した.術後補助化学療法を,GEMを3コース施行し4ヶ月後に新規肝転移出現しPDであった.S-1に変更したが,効果なく,術後9ヵ月後に永眠となった.

当院症例6例ともにR0根治手術が可能であった.しかしながら,早期転移再発を認め,6例中5例の再発部位は肝臓であり,術後生存期間は平均6ヶ月間ときわめて予後不良であった.術前治療を行った1例は全生存期間が長く,術前組織型診断は困難であるが,術前治療は治療選択肢の一つとなりえる.
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