演題

PK6-6

膵液漏のメカニズムを考慮した穿刺ステントslidingガイド法による新たな膵腸吻合法の開発

[演者] 佐藤 好信:1,2
[著者] 田中 淳一:1, 原 義明:2, 石田 文生:2, 工藤 進英:2
1:昭和大学藤が丘病院 消化器・一般外科, 2:昭和大学横浜市北部病院 消化器センター

膵頭十二指腸切除術における膵腸吻合の最も問題となる合併症は膵液漏(PF)である.様々な吻合法の工夫が報告されているが,依然PFの頻度は一定の頻度で発生している.PFの最も大きな原因は吻合部のtechniqal failureであり,吻合自体の問題や,吻合口の口径差,小腸粘膜の逸脱,吻合糸であると考えている.今回我々は穿刺膵管ステントを利用したslidingガイド(PSSGM)法を考案したのでその結果とともに報告する.
(手術手技)工夫として膵管空腸吻合部の口径差を無くすためと,小腸の吻合部を凝固し血行障害にならないように,櫛付き膵管ステントの穿刺部で小腸吻合部を直接穿刺し,さらにそのまま対側の腸管を穿刺し,腸管外に出す.吻合糸は6-0PDS両端針を用い,頭側後壁より針をステントに這わせて外反にて吻合していく(4-5針)中央の1針は内向きでステント固定に使用する.前壁も同様にステントを這わせて4-5針外反吻合施行する.膵と腸管は柿田変法に4-0プローリンにて密着させる.ステントはロストステントとするが,対側から出たチューブを適切なところで切断し,穿刺部位は閉鎖する.SSG法は小腸側の吻合部が吻合時に拡張することなく吻合でき口径差でき縫合不全を予防することができる.
<対象と症例>平成26年10月から平成27年7月までに多臓器切除を含まない11例の膵頭十二指腸症例に対してSSGを施行した.9例は小開腹,2例は通常開腹手術であった.男女比 6/5, 年齢72±4.5歳,膵癌/胆管癌/乳頭部癌の症例数はそれぞれ5/5/1であった.1,3,5,7POD膵腸後面ドレーン排液中アミラーゼ値はそれぞれ,975±2105IU/l,308±716IU/l,248±618IU/l, 134±169IU/Lで,ドレーンは4PODで3例,膵液漏5PODで6例,7POD二2例抜去した.ISGPF基準による膵液漏はGrade 0,A,B,C それぞれ10,1,0,0例であり,GradeCの膵液漏は認めなかった.当センターで2004-2013年を1期,2014年以降を2期,またSSG法症例に統一した時期を3期とすると膵液漏頻度はそれぞれ38%,16.6%,9%と改善傾向を認めた.
<まとめ>膵腸吻合における新たな試みである.ステントslidingガイド法は簡易で膵液漏を改善できる可能性があり,有効な再建法である.

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