演題

PK6-5

膵頭十二指腸切除術における膵消化管再建術式の工夫-膵液瘻に伴う重篤な合併症軽減を目指して-

[演者] 宮澤 光男:1,2
[著者] 岡田 克也:2, 合川 公康:2, 岡本 光順:2, 小山 勇:2, 丸野 要:1, 春日井 尚:1, 谷口 桂三:1, 平能 康充:1, 藤野 昇三:1
1:帝京大学附属溝口病院 外科, 2:埼玉医科大学国際医療センター 消化器外科

【背景】膵頭十二指腸切除術(PD)の膵消化管再建法は各施設で様々であるが,術後,膵液瘻に起因した死亡例は一定の割合で報告されている.膵実質に針を通すというtraumaticな処置は一定の"膵液瘻は起こる"ことを前提とすべきである.その上で膵液瘻を軽減し,膵液瘻に伴う仮性動脈瘤形成などによる後出血の様な重篤な合併症予防の手技の検討が重要である.【目的】これら重篤な合併症軽減に留意した当科PDの工夫を評価した.【手術手技】膵はメスで離断する.膵管に節付き膵管チューブを挿入,5-0吸収糸で膵管とチューブを固定し完全外瘻とする.次に空腸壁の漿膜下に生食を注入し,メスを用いて膵断端密着部の漿膜のみ剥離し,筋層を露出させる.次に膵空腸全層密着吻合(柿田式変法)を行う.4-0吸収糸を大きく刺入し,結紮は膵を挫滅しないように愛護的に行う.最後に膵空腸吻合部背側に大網を敷き込み,動脈処理断端部と膵空腸吻合部を分離する.膵空腸吻合部頭側に閉鎖式持続吸引ドレーンを留置する.【結果】2008年4月~2016年3月まで当科で施行したPD症例で本術式を用いた145例が対象.ISGPF基準による術後膵液瘻はGrade A;23例(15.9%),B;12例(8.2%)で,Cの症例は認められなかった.外瘻チューブの閉塞や,遅発性膵管開存性低下などによる重篤な合併症も認めなかった.【結語と考察】我々の膵消化管再建法では,Grade C膵液瘻症例は認められなかった.また完全外瘻法の当科の手技は比較的容易に施行可能であり,重篤な合併症を認めず有用な手技と考えられた.
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