演題

PK6-1

当院におけるBlumgart変法再建の経験

[演者] 駒屋 憲一:1
[著者] 有川 卓:1, 大澤 高陽:1, 宮地 正彦:1, 金子 健一朗:1, 小松 俊一郎:1, 石黒 成治:1, 齊藤 卓也:1, 佐野 力:1
1:愛知医科大学医学部 消化器外科

<背景と目的>
膵頭十二指腸切除術における至適な膵空腸吻合法は確立していない.これまで本邦では,柿田式による密着縫合を行う施設が多かったが,近年は,Blumgart変法が有用であるという報告が散見されるようになった.当院では2015年7月より本法を導入した.当院で行っているBlumgart変法の成績を報告する.
<対象と方法>
再建方法はChild変法(結腸後経路:膵空腸吻合・胆管空腸吻合.結腸前経路:胃空腸吻合)を行っている.Blumgart変法:①膵空腸密着縫合は3-0非吸収性縫合糸を3針使用.中央の縫合糸は主膵管をまたぐ.②膵管空腸粘膜縫合は5-0 PDS™で6~10針.③膵管は外瘻化.④肝円索で胃十二指腸動脈断端・総肝動脈を被覆し,大網は使用しない.
2015年1月から2016年12月までに当院で待機的に膵頭十二指腸切除術を施行し,柿田式(K群:n=15)またはBlumgart変法(B群:n=22)で再建した2群を比較検討した.
<結果>
K群とB群では,年齢(71歳 vs. 73歳)・性・膵管拡張の有無・正常膵(6例(40%)vs.12例(55%))・門脈再建・手術時間(474分 vs. 478分)・出血量(720ml vs. 649ml)に有意差を認めなかった.
膵液瘻(ISGPF Grade B/C)は4例(27%) vs. 7例(32%)・ドレーンAMY値(1084, 82, 89 vs. 420, 275, 70;術後1,3,5日)・ドレーン留置期間(7日 vs. 6.5日)・術後在院日数(15日 vs. 22日)は両群で有意差を認めなかった.Grade Cの膵液瘻をK群で1例認めた.両群に在院死亡を認めなかった.
<結語>
諸家の報告と比較し,Blumgart変法による手術成績の向上は認めなかった.引き続き症例の蓄積と研鑽が必要である.
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