演題

PK5-6

蛋白栓・膵石により病変の画像所見が変化し切除適応病変となったと考えられた分枝型IPMNの3例

[演者] 濱田 賢司:1
[著者] 服部 可奈:1, 市川 健:1, 草深 智樹:1, 大森 隆夫:1, 大倉 康生:1, 田岡 大樹:1
1:鈴鹿中央総合病院 外科

【はじめに】IPMNコンセンサスガイドライン2012(GL2012)ではhigh-risk stigmata(HRS)とworrisome feature(WF)を指標とした切除・経過観察のアルゴリズムが提唱され,当院においてもGL2012に沿った診療を行っている.これまで分枝型IPMNと診断され経過観察を開始した後に画像が変化し切除となった症例を6例経験した.うち5例は腺腫,1例はSCNであり悪性化の所見は認めなかった.しかし3例に蛋白栓や膵石により画像変化を来し切除適応になったと考えられた症例を経験した.この3例の症例を呈示し切除標本から画像に及ぼした影響について考察した. 【症例呈示】症例1 79歳男性. 膵頭部分枝型IPMNにて経過観察開始後から徐々に嚢胞が増大,4年目に嚢胞径が39mmとなりWFに該当し亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行.IPMAにより形成された嚢胞内に7mmの蛋白栓を認め,この蛋白栓により膵管閉塞し嚢胞の増大を来したものと考えられた. 症例2 67歳女性. 膵尾部分枝型IPMNにて経過観察開始後4年目に造影効果のない壁在結節が出現しWFに該当したため精査施行.膵液細胞診で悪性所見が疑われ脾合併膵体尾部切除術を施行.高度異型一部に含んだ腺腫であり嚢胞内部に多数の膵石を認め,この膵石により嚢胞壁の慢性炎症性変化からGranulation tissueを形成し壁在結節として描出されたと考えられた.症例3 65歳男性.膵尾部分枝型IPMNで経過観察開始後2年目にEUSにて嚢胞と主膵管の間に10mm大の低エコー 腫瘤をが出現.造影すると腫瘤は遅延性濃染像を示し,IPMN由来または併存膵癌を疑い脾膵体尾部切除術を施行.尾側膵管の多房性嚢胞様拡張を認め内部に最大6mmの 蛋白栓とその周囲に炎症性変化を認めた.蛋白栓による炎症性変化により造影結節として描出されたものと考えられた.【結語】GL2012のアルゴリズムにおける経過観察中に蛋白栓や膵石などの所見が疑われた場合,その影響により炎症性変化をはじめとした様々な画像変化を来す可能性がある.場合によってはHRSやWFに合致する所見となり手術適応考慮すべき所見を呈してくる場合がある.従って蛋白栓や膵石を認める症例では手術適応に関し若干の慎重さが必要であると思われた.
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