演題

PK5-5

他臓器へ穿破した膵IPMNの2例

[演者] 山田 健司:1
[著者] 稲垣 光裕:1, 合地 美香子:1, 近藤 享史:1, 大平 将史:1, 舩越 徹:1, 芝木 泰一郎:1, 柳田 尚之:1, 赤羽 弘充:1, 中野 詩朗:1
1:旭川厚生病院 外科

【はじめに】膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)はしばしば,隣接する他臓器へ穿破することが知られている.今回膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)が近傍臓器への穿破を認め,外科的切除し得た2症例を経験したので報告する.【症例①】79歳男性 左背部~側腹部痛を自覚し近医受診.CTにて主膵管の拡張と膵嚢胞性腫瘤を認めIPMN疑いにて当院紹介となり,経過観察中に黄疸を認めた.CTでIPMNの増大と,胆管-膵管瘻,膵管-十二指腸瘻の形成が疑われた.閉塞性黄疸を来しており胆管ステント留置後,当科で膵頭十二指腸切除を施行した.術後経過は問題なく術後16日目に退院となった.病理組織診断では,粘液を産生し乳頭状に増殖する腫瘍を認め,一部間質に粘液の漏出が見られIPMCの所見であった.腫瘍は総胆管壁に穿破して膵管胆管瘻を形成していた.【症例②】77歳男性 HCMにて当院循環器科でfollow中に肝機能異常を指摘された.腹部エコーで膵体部に20×27mm大のhypoechoic massを認め,PETで腫瘤への集積亢進を認めた.CT,MRIにてIPMT由来の膵癌の疑いとなり,膵体尾部切除を施行した.術後経過は問題なく退院した.病理組織診断では膵体部に限局したIPMNの診断であり,切除断端は陰性であった.術後4年後のfollow 上部消化管内視鏡検査で胃・十二指腸と残膵断端との交通を疑う所見を認めた.CTでは残膵に増大傾向を示す腫瘤を認め,PETで集積亢進を認めた.IPMN再発が疑われ,残膵全摘,門脈合併切除,胃空腸吻合,胆管空腸吻合を施行した.術後出血を認め再手術を要したが,術後54日目に退院となった.病理組織診断ではIPMN high grade atypiaの所見であった.【考察】IPMNは一般に発育が緩徐であり,切除後の予後は比較的良好と報告されている.しかし,時に他臓器へ穿破する事が知られており,その頻度は7.9%~15%と報告されている.穿破の様式は腫瘍細胞による浸潤性穿破と,粘液による嚢胞内圧亢進に伴う機械的穿破が考えられている.症例①は病理学的に腫瘍細胞による浸潤性穿破と考えられ,症例②では穿破臓器に腫瘍細胞の浸潤が認められなかった事より機械的穿破と考えられた.【結語】今回,他臓器へ穿破した膵IPMNの2例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.
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