演題

PK5-1

当科におけるIPMN切除例の検討-手術妥当性の観点からみた新ガイドラインの評価-

[演者] 岩村 宣亜:1
[著者] 北村 好史:1, 北野 翔一:1, 熊田 有希子:1, 喜多 亮介:1, 増井 秀行:1, 近藤 正人:1, 瓜生原 健嗣:1, 貝原 聡:1, 細谷 亮:1
1:神戸市立医療センター中央市民病院 外科

【背景と目的】2012年度のIPMN国際診療ガイドライン(以下新ガイドライン)の改定により手術適応は厳格化されたものの,その妥当性には依然として議論の余地がある.当科におけるIPMN切除症例を新ガイドラインへ適応し,その妥当性につき検討する.【対象と方法】2003年1月から2016年11月の期間において,当科で施行したIPMNに対する初回切除例41例を対象として病理学的にretrospectiveに検討.これを新ガイドラインへ適応し,術前のリスク分類と組織学的分類の整合性,及び手術妥当性の観点から検証を行った.膵癌病期診断は膵癌取り扱い規約第7版に,組織学的分類はWHO 分類に準拠.統計学的検討にはFisher's exact test及びカイ次乗検定,t検定を使用.【結果】男女比29:12,14例にDMが併存.リスク分類はHigh risk stigmata(以下HRS)20例,Worrisome features(以下WF)21例.術式はTP/PD/DP/中央切除 5/20/13/3例.組織学的異型度はlow grade or intermediate dysplasia 17例, high grade dysplasia 17例,invasive ductal carcinoma 7例(pStageⅠA 3例,ⅡA 3例,ⅡB 1例) .High grade dysplasiaのうち1例に併存膵癌(pStageⅠA)を認めた.術前のリスク分類毎の組織学的異型度の内訳(low grade or intermediate dysplasia/ high grade dysplasia/invasive ductal carcinoma)は,HRS群では5/9/6例,WF群では12/8/1例と,HRS群においてinvasive ductal carcinomaが有意に多く(p<0.05),一方でWF群においてlow grade or intermediate dysplasiaが有意に多かった(p<0.05).これに対し,手術妥当性の観点から,low or intermediate dysplasiaを低悪性度病変(手術妥当性なし),high grade dysplasia及びinvasive ductal carcinomaを高悪性度病変(手術妥当性あり)と定義.HRS群では高悪性度病変が71.4%と比較的高い割合であったが,WF群では高悪性度病変は42.9%と低率であった.これを受け,WF群において悪性度と術前評価項目の関連性について検討を行ったが,MPD径,嚢胞径,壁在結節高,WF項目に2項目以上該当,などの各項目に有意差を認めなかった.【結語】HRS群は高悪性度病変の割合が高く,手術妥当性ありと考えられた.一方で,WF群は手術妥当性に乏しく,手術適応には更なる悪性を示唆する所見を要すると考える.
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