演題

PK4-7

IPMN国際ガイドライン2012年版の検証

[演者] 小船戸 康英:1
[著者] 渡邊 淳一郎:1, 佐藤 直哉:1, 石亀 輝英:1, 岡田 良:1, 木村 隆:1, 見城 明:1, 志村 龍男:1, 河野 浩二:2, 丸橋 繁:1
1:福島県立医科大学医学部 肝胆膵・移植外科学講座, 2:福島県立医科大学医学部 消化管外科学講座

【緒言】IPMNは癌化する疾患であるが,一部には長期経過観察可能な病態もあるため,その手術適応の判断が重要である.2006年にIPMN/MCN国際診療ガイドラインが報告され,その診断と治療方針に一定の方向性が示された.一方で不明確なところも存在し施設間での解釈の違いを生じていたが,2012年に改定され,明確な型分類やhigh-risk stigmata (HRS)とworrisome feature (WF)への分類を設定したことでより臨床に則したガイドラインとなった.【目的・方法】今回われわれは,2012年のガイドライン(以下,ガイドライン2012)を検証するために,2006年~2016年までに切除を行ったIPMN46例を対象に後方視的に解析を行った.【結果】MD-IPMN,Mixed typeの悪性率はそれぞれ54.5%,65.0%と高頻度であったのに対し,BD-IPMNは33.3%と低く,型分類は治療方針を決定する上で重要な因子であった.型毎にIPMCとIPMAの2群に分け,臨床病理学的背景因子を検討すると,HRSやWFを示す所見の大部分がIPMCで有意に高かった.さらに今回の検討では,すべての型において病変内に存在する結節/充実性成分の大きさがIPMC症例で有意に大きかった.逆に"造影される充実性成分の有無"は2群間で差を見出せなかった.現在,悪性所見の乏しいIPMNに対する術式は縮小手術や腹腔鏡手術も許容されているが,今回の検討ではHRSおよびWFの悪性率はそれぞれ64.3%,35.3%であり,WFにもIPMCが多く含まれ,縮小手術や腹腔鏡手術の適応症例を選定するのに難渋する.従ってWFに含まれるIPMCをより効率的にHRSで拾い上げることができれば,術式決定がし易くなると考えられる.ここでHRSの"造影される充実性成分"の代わりに"結節/充実性成分の大きさ(ROC曲線より導いたCut-off値 11mm以上,AUC 0.895)"を悪性所見として含めると,HRSの感度を70%まで上昇させ,かつWFに分類される症例の悪性率を20%まで低下させることができ,悪性診断に有用であると考えられた.【考察】今回の検討でIPMN内の結節/充実性成分の大きさは悪性を示唆する所見であると考えられ,これを用いることでIPMNに対する術式決定の一助になると考えられた.
詳細検索