演題

SY13-6

高度進行胆嚢癌に対する術前化学療法併用での外科切除成績の改善

[演者] 味木 徹夫:1
[著者] 松本 拓:1, 篠崎 健太:1, 秋田 真之:1, 後藤 直大:1, 浅利 貞毅:1, 木戸 正浩:1, 外山 博近:1, 福本 巧:1, 具 英成:1
1:神戸大学附属病院 肝胆膵外科

【目的】進行胆嚢癌の手術成績は不良であるが,近年の化学療法の進歩に伴い,化学療法と外科切除の組み合わせにより予後改善が達成されることを我々はこれまでに報告してきた.今回,教室での高度進行胆嚢癌症例を解析し,手術と化学療法の予後に対する役割につき後方視的に検討したので報告する.【方法】2008-2015年に教室で治療を行った胆嚢癌108例の中で,胆道癌取扱い規約5版のStage IVaとIVbの症例を高度進行胆嚢癌として解析の対象とした.これらの手術成績,化学療法の施行状況,予後につき検討を行った.【成績】Stage IVa 17例,IVb 56例であった.Stage IV症例に対し原発巣に対する手術を行ったのは22例で,根治手術10例(IVa 9例,IVb 1例,術式:肝葉切除+BDR 7例,肝部分切除+BDR 2例,PD 1例),姑息手術8例(胆嚢摘出術+α),化学療法後手術4例(胆嚢床切除,2例に胆管切除併施)に分類された.化学療法後手術4例の術前化学療法はGEM単剤2例,GC 1例,GFP 1例であり,R0切除1例,R1切除2例,R2切除1例(術後病理で肝転移判明例)であった.術後補助化学療法施行率は根治群/姑息群/化療後手術群で30%/63%/100%であった.各群の1生率/2生率は,根治群60%/50%,姑息群58%/39%,化療後手術群100%/75%であり,化療単独群(n=31)の23%/18%,BSC群(n=20)の7%/0%に比べ切除群は良好な成績であった.しかし,根治群でも全例再発を認め,最長生存33か月で姑息手術群との予後の差は無かった(p=0.94).一方で,化療後手術群では1例が60か月無再発生存中,1例が36か月目で再発あるも生存中であり,根治切除,姑息切除群より良好な予後を示した.【結論】高度進行胆嚢癌は胆道癌の中でも極めて予後不良であり,手術単独での予後改善は難しい.化学療法の施行割合からすれば,術前化学療法後に適切な手術,その後の術後化学療法の施行が,高度進行胆嚢癌に対しては現時点では最も期待できる治療選択と考える.手術術式については縮小か拡大かの議論もあり,実際のビデオを供覧しながら報告したい.
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